100PROJECT

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スマートメーターを活用したエネルギー管理システムで、電力使用量を可視化

ユービック株式会社

ユービック株式会社

ユービック株式会社

大阪府大阪市中央区道修町2丁目1-10
https://www.ubiik.com/

プロジェクト概要

家庭用スマートメーターの普及が進む一方で、ビルや工場等の事業所での電力管理は、ビルや建物での一括管理が多く、内部の電力使用量を事業所側が把握できていない状況です。
本プロジェクトでは、ビルや工場運営をしている事業所にスマートメーターを活用したエネルギー管理システムを普及させ、電力の使用量の可視化を通して、エネルギー消費削減、コスト削減に貢献します。

ビルや工場の事業所にスマートメーターを普及し、ひとりひとりが環境に配慮した行動へ

今回は、ユービック株式会社の技術マーケティング部長村上 氏にお話を伺いました。

ーー御社の事業ドメインについて教えてください。

弊社は、台湾発の通信技術に強みを持つスタートアップ企業で、IoTサービスに関するソリューションやエネルギー管理ソリューションの開発・販売などをしています。2016年日本法人を設立し、日本での事業拡大を目指しています。

ーープロジェクトの背景について教えてください。

村上氏 日本でも人手不足解消やコストダウンの観点から、検針作業の自動化や電力供給量の把握を目的に、電力量を測定する家庭用のスマートメーターの普及が進んでいます。

一方で、ビルや工場等の事業所においては、電力会社が一括管理する電気メーターのみに留まり、内部の電力使用量を事業所側が把握できていないことが多いです。
例えば複数の企業が入居するビルでは、ビル全体の電気使用量は把握できても、各企業の電気使用量が分からないケースも多いです。もしかすると、A社が非常に多くの電力を使っているのに、その料金分を同じフロアのC社も負担している、といったことが起きているかもしれません。
また、一部の企業がEMS(エネルギー管理システム)と電力消費削減のコンサルティングビジネスを行っていますが、電気メーターが有線式であることが多く、配線工事のコストがかかることが課題となっています。

加えて、近年の環境意識の高まりとエネルギー価格の高騰に伴い、今後より一層の使用電力量の把握と削減の取り組みが進むと考えられています。

村上氏

事業拡大への思いを語る村上氏

ーープロジェクトの取り組みについて教えてください。

村上氏 これらの社会背景を踏まえ、ビルや工場運営をしている事業所にスマートメーターを普及させる、エネルギーマネジメント市場への参入に取り組んでいます。
弊社ではスマートメーターとEMS(エネルギー管理システム)を活用することでエネルギー消費の可視化を進めています。いつ、どのくらい電力を使ったかを事業所が知ることで、その後日々の行動様式を見直し、コスト削減やエネルギー消費削減に貢献することができます。

SDGsの普及によって、多くの人が「環境を意識する」ことは、徐々に浸透してきたように思います。
一方で、「環境を意識して、最適な行動をする」というのは、まだまだ難しい側面があります。理由は、どのような行動すれば、それが環境にどれくらい影響するのか、が見えないからだと私たちは考えています。
弊社のサービスが浸透すれば、それが可視化されます。そうすると快適さと電力消費のバランスを考えて、環境に配慮しながらどのように生活することがベストなのかを、自分で判断して行動できるようになります。そのような暮らし方が、次世代のスタンダードになる、そんな社会を実現していきたいです。

ーー今後の活動におけるキーポイントを教えてください。

村上氏 日本での販促活動においては、日本で実績があるということが非常に重要視されます。
そこで、まずはその実績を作るべく、実証フィールドを提供している大阪・咲洲の複合商業施設ATCにて実証実験を行いました。
※TEQSが実施しているIoT・ロボットビジネス実証実験支援プログラム「AIDOR(アイドル)エクスペリメンテーション」を活用
https://teqs.jp/experimentation

本検証では、弊社が低電力長距離通信技術Weightless™を用いたスマートメーターをATCの分電盤に設置したほか、スマートメーターとは別のフロアにデータ受信用の基地局を設置しました。そして、電気利用量を1分に1回の頻度でスマートメーターで測定・取得し、データを基地局に送信しました。
このデータ取得・送信の流れを約3か月間モニタリングし、通信成功率から本スマートメーターの通信安定性を定量評価しました。結果は99.7%のデータを受信できており、家庭用に市販されているスマートメーターの平均値と同じ成功率を出すことができました。加えて、家庭用の30分に1回の測定と比べ、1分毎の測定と非常に細かいため、よりリアルタイムで電力使用量を把握することができるのが特徴となっています。
また、ATC担当者に利便性や改善点などをヒアリングを行い、メリットや不満点などを定性的に評価しました。

実証実験の様子

実証実験の様子

ーーユーザ側(ATC)の実証実験の感想を教えてください。

村上氏 ATCには多数の入居企業様がいますので、検針の業務量や請求にかかる手間が削減できるので管理面での導入価値が高いと言っていただきました。特にデスクに座ったまま消費電力を確認できるのはとても好評で、設備の管理やエコの取り組みを行っている部門には、業務軽減効果が見られました。

また、ATCは環境省が定めている「エコアクション21」に登録し活動されていて、環境に関する具体的な取り組みや、それに伴い社員の環境意識も年々高まっているそうです。ですので、スマートメーターを設置することで、入居企業様にも環境問題を考えるきっかけ提供ができたり、ATCへの入居がSDGs貢献につながる、というブランディングが期待できると仰っていただきました。

可視化からエネルギーマネジメントによる最適なエネルギー利用提案へ

ーーさいごに、今後の活動や展開を教えてください。

日本における認知度の向上と連携できる企業パートナーを増やしていくために、今後は可視化だけでなく、エネルギーマネジメントによる最適なエネルギー利用の提案を行っていくつもりです。そしていずれは、日本国内の施設にエネルギー管理システムを導入し、効率的なエネルギー利用を促進していきたいと考えています。

もし、環境に関心のある企業様やビジネス連携できる企業様がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡ください。

本日はありがとうございました。

ユービック株式会社

大阪府大阪市中央区道修町2丁目1-10
https://www.ubiik.com/

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