100PROJECT

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音声対話技術で、人間とAIのコミュニケーションをもっと豊かに

susuROBO株式会社

susuROBO

susuROBO株式会社

https://susurobo.jp/
※ソフト産業プラザTEQS入居企業
https://teqs.jp/incubator/susurobo

プロジェクトの概要

人間とAIが共存する社会実現をビジョンに、音声対話技術に特化したスタートアップカンパニーが開発した音声対話開発プラットフォーム「lively.ai」。本プラットフォームを活用して、高齢者向け音声デバイス、会話型アプリの開発なども行なっています。また、今後は一般向けリリースも予定しています。

個性アバターを簡単に作れる、音声対話開発プラットフォームを構築

今回は、susuROBO株式会社のCEOマキシム・マカチョフ氏とVP事業開発担当である近田亮氏にお話を伺いました。

ーー創業のきっかけやプロジェクトについて教えてください。

近田氏 弊社は、音声対話技術に特化したスタートアップカンパニーです。2021年2月に大阪で創業しました。
創業メンバーは、ロボット工学博士で、人間とロボットの会話研究のバックグラウンドがあるCEOのマカチョフと、自然言語処理と機械学習/音声認識のバックグラウンドがあるアミール・ハラティがおります。2人は、シリコンバレーで長年エンジニアをしてきた経験があり、研究技術を一般のプロダクトに展開してきた実績があります。そして、約20年間スタートアップで尽力してきた私を含め、様々なバックグラウンドを持つ人材が集積している多国籍チームです。

近田氏

VP事業開発担当/近田氏

弊社は音声技術を通じて、人間とAIが共存する社会実現をビジョンとしています。そのために、IT関連で音声を利用する全ての業種において、音声対話技術(ヴォイスティック)を発展させることを目的に活動しています。

近年、スマートスピーカー等の発展により、音声対話技術は私たちの生活に浸透し、サービスと市場の隆盛が進んでいます。
一方でコミュニケーションという切り口から見ると、ユーザの多くは「ロボットやAIと話している」というに感覚を持ちながら、そのサービスや製品に触れているのではないかと私たちは考えています。理由は、ロボットやアバターの声や仕草に「温度」を感じにくいため、人間と話している時のような「共感的コミュニケーション」が取りにくいからです。このように人間とAIに距離がある状態をなくしていくことが、弊社が目指す、人間とAIの共存社会実現への近道だと考えています。そのためにはコミュニケーションの精度を上げるべく、ロボットやアバターの制作者が開発時にそのパーソナリティを深く広く追求できるような仕組みづくりがポイントになります。

こうした背景を踏まえ弊社では、パーソナリティ性の高いアバターを簡単に作れる音声対話開発プラットフォーム「lively.ai」の構築をスタートさせました。現在、このプラットフォームを使ったサービスをいくつか実装、実証している段階です。将来的には本プラットフォームを一般のクリエイターにも使用していただき、オリジナルアバターがたくさん創出される環境を作りたいです。

マカチョフ氏 私自身、2017年にタイム誌にも掲載された世界初の消費者向けソーシャルロボット「jibo」を開発した実績があります。その際に、ロボットがユーザとコミュニケーションを図るにおいて、共感が持てる返答や声、仕草が持つ重要性を深く痛感しました。
また、一台のロボットを開発する上でのリソースを集める難しさも同時に感じました。

マキシム・マカチョフ

CEO/マキシム・マカチョフ

最近では、色々な会話ができる「アバター」や「メタバース」なども登場し、AIが制御する会話の仕組みは、今後さらに世の中にたくさん出てくるでしょう。しかし、そこにどれだけ作り手の「個性」を投影できるかが、キーポイントになってくると考えています。

「lively.ai」では、ITスキルがそれほど高くない方でも簡単に様々なキャラクターを開発できるように、ノーコードエディターを採用しています。そこで会話、感情を示す表情、動作などを組み合わせ、そのキャラクターの性格レシピが作れます。加えて複数の3Dモデルからその性格に合ったビジュアルが選べます。ちょっと強い人、とても優しい人、ツンデレな人など、様々なキャラクターを自分で設定し簡単に開発できるのが特徴です。同じような人がたくさん居るよりも、作り手の個性に合わせて多種多様なキャラクターが存在する世界の方が、豊かで楽しい世界が広がります。

ノーコードエディター

ノーコードエディター

近田氏 バックエンドエンジンを説明すると、「lively.ai」では、音声認識後からアウトプット手前までのフローを簡単に開発できるのが特徴です。これにより、音声のアウトプットをAIライブストリーマーや音声デバイス、アプリといった様々なプロダクトやサービスに変換することが可能になります。
音声のやりとりを通じて、色々なサービスが生まれる可能性を秘めている上に、クリエイターの間での活用が広がれば広がるほど、新しいサービスが創出されるのではないかと期待しています。

susurobo

ーー「「lively.ai」を使った実証事例を教えてください。

現在、アナログSNS「高齢者向け音声アシスタントサービス」の実証実験がスタートしています。
これは、音声技術という目に見えにくい技術をプロダクトで表現することを狙いとし取り組んでいるプロジェクトです。

2021年7月に大阪市、ソフトバンク株式会社が主催する「大阪市・5Gビジネス開発補助金」に採択され、プロトタイプ作成を行いました。加えて2021年12月には、大阪府、大阪シティ信用金庫が主催する「健康産業有望ビジネスプラン」にて優秀賞を受賞しました。


アナログSNS「高齢者向け音声アシスタントサービス」利用イメージ動画

受賞の様子

「健康産業有望ビジネスプラン」優秀賞 受賞の様子

まず背景として、日本で60歳以上の高齢者約800万人はスマートフォンを利用していません。またスマートフォンを持っている高齢者でも、そのほとんどがソーシャルネットワークアプリを使用することはありません。これらを踏まえ、高齢者が自らコミュニケーション頻度を増加させ、社会的な孤立を防ぎ生活の質改善や健康促進につながるよう、高齢者の新たなコミュニケーションサービスとして開発。従来のサービスと大きく違うのは、発信者側に回れることです。そのために、高齢者が使いやすいプロダクトデザインを追求しました。
「親しみやすい・使いやすい・継続しやすい」 をコンセプトにした高齢者スマートデバイスです。

具体的には、ランプを点灯して話しかければ、発した音声がそのまま音声メッセージとして送付、または、自動でテキスト化されて、家族のスマートフォンのLINEやインスタグラムで届く仕組みになっています。ビデオ通話は時間を予約する必要がありますが、本サービスは、そうした準備は一切なく思い立ったタイミングで音声のみで情報を送受信できるのが特徴です。また、世の中に広く普及しているアプリ(LINE、Instagram)を利用するため、情報を受け取る側も新たにアプリをインストールする必要もありませんから、気軽に導入しやすくなっています。

マカチョフ氏 日本は世界の国比べて高齢者が多いです。その方達が日々何を考え、何を感じて、どんな行動をとっているのか。実はそういったデータを取る手段は未だないのです。本サービスを活用すれば、音声のみでそうしたマーケティングデータの取得が可能になりますので、世界でも社会課題として挙げられる超高齢化社会対策への一助になるかもしれません。
高齢者トレンドがわかれば、世界が変わる。もしかすると、高齢者のインフルエンサーが誕生するかもしれませんね(笑)高齢者DX!

「会話型AIアバターが溢れる世界」の実現を目指す

ーー最後にメッセージをお願いします

近田氏 近い未来、人間はAIアバターと気軽に会話する時代になります。それは、人間が共感を持って接することができる会話型AIアバターで溢れる世界でもあります。こうした世界実現のために、弊社は「lively.ai」の一般向けリリースや高齢者向け音声デバイスの普及、さらなる音声技術の発展に貢献します。

会話型AIアバターにご興味のある方は、ぜひお気軽にご連絡ください!
本日はありがとうございました。

susuROBO株式会社

https://susurobo.jp/
※ソフト産業プラザTEQS入居企業
https://teqs.jp/incubator/susurobo

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