100PROJECT

100PROJECT

進化しつづける、子ども向けテクノロジー体験型イベント「ATCロボットストリート」

一般社団法人i-RooBO Network Forum

ロボットストリート

ロボットストリート

https://robot-street.com
※毎年、秋頃に開催しています。

一般社団法人i-RooBO Network Forum

大阪府大阪市住之江区南港北2-1-10 ATCビル ITM棟3F D-1

「RoBO&Peace(ロボアンドピース)」

https://iroobo.jp/project/robopeace/

アイローボオープンテクノロジーセンター

https://iroobo.jp/project/iotc/
※100プロジェクトに掲載されています
https://atc-co.net/cms-business-gateway/project/iroobo_open_technology_center/

プロジェクト概要

「ロボットストリート」は、ATC咲洲こどもエキスポのイベントの一環で開催される、最先端テクノロジーの子ども向け体験型イベントです。「みて・さわって・まなんで」をコンセプトに、体験やワークショップを通じ、「社会課題の解決に向けて必要とされるテクノロジーとは何か」を家族みんなで考えるきっかけづくりに繋げます。
出展企業は、ロボットビジネスの企業コンソーシアム「iRooBO」の正会員企業や関連企業が多く、本イベントを活用してマーケティングや実証を行なっています。またiRooBOの関連拠点である、子ども向けテクノロジー体験施設「RoBO&Peace」や、プロジェクト創出×人材育成拠点「アイローボオープンテクノロジーセンター」とも連携しています。

先端テクノロジーを通じて、子どもたちが「社会課題」や「未来」に触れるきっかけに

今回は、プロジェクトリーダーである一般社団法人i-RooBO Network Forumの高島氏にお話を伺いました。

ーープロジェクトについて、詳しく教えてください。

高島氏 「ロボットストリート」は、子どもたちに最先端のテクノロジー体験を通じて、社会課題や未来を感じてもらう事を目的にしているイベントです。毎年秋頃に開催されている「ATC咲洲こどもエキスポ」イベントの一環で、2017年にスタートしたプロジェクトになります。

ロボットストリートを企画・運営している私たち「i-RooBO」は、ロボットビジネスの企業コンソーシアムで、最先端の技術や知見を持つプロフェッショナル企業が集まって活動している団体です。会員企業は常に社会課題を意識しながら、先端テクノロジーの実証やマーケティングを行なっています。ですので、会員企業や関連企業はロボットストリートへの出展を通じて、顧客ニーズ調査や動向把握、認知活動などを実施しています。

ロボットストリート2020

ロボットストリート2020

ワークショップ/ロボットプログラミング体験

ワークショップ/ロボットプログラミング体験

ワークショップ/プログラミング体験

ワークショップ/プログラミング体験

ワークショップ/プログラミング体験

展示ゾーン/モビリティロボット試乗体験

社会情勢の変化により、インタラクティブな企画が増加。テクノロジーがさらに身近に

ーープロジェクトは、どのように進化しているのでしょうか。

高島氏 2017年のスタート時点から徐々に規模が拡大しています。加えて「テクノロジー」を軸にしていることから、時代に合わせてその様相も変化しています。

特に顕著に変化が現れたのは2020年以降です。
プロジェクト開始から2019年あたりまでは、「展示」がメインだったのですが、2020年から「触れる・体験する」といったインタラクティブ要素を含んだ出展内容に変わってきました。それは私たちが働きかけた訳ではなく、新型コロナウイルスの影響による社会情勢をきっかけに、企業側の企画が大きく変化したのです。
例えば、ロボットを直接触ったり、VRゴーグルをつけて仮想空間を体験したり、ドローン操縦をしたり。耳にしたことはあるけれど体験したことがなかったテクノロジーが、一気に出展に並ぶようになりました。そして、一般の方のテクノロジーへの関心度がかなり増したのか、参加者もそれらにあまりハードルを感じることなく、ロボットに触ったりゴーグルをつけたりとテクノロジー体験を楽しんでいました。

また運営側として、いつ社会情勢が変化しても柔軟に対応できるよう、イベントの実施方法も「リアル」と「オンライン」の両輪で考えることが当たり前になっていきました。
リアルだけ、オンラインだけの分断された状態ではなく、双方の魅力を活かした連携企画にするにはどのような方法があるのか、会えない、触れ合えない状態で、いかに実のあるコミュニケーションが取れるのか。こうした事をベースに、イベント自体を時代に合わせて最適化していきました。
そして2021年は、ロボットストリート自体が実証の場ということから、それまで「リアル開催」がメインだったイベントを「オンライン開催」を主に実施する判断をしました。ATCという場所に来訪せずに、どれだけ楽しめるイベントできるのか、新しい挑戦でした。

XR技術を使った未来体験

XR技術を使った未来体験
※XR技術とは、VRやAR、MRなどの技術で構成される、「仮想世界と現実世界を融合し、新たな体験をつくり出す」技術の総称。

デモンストレーション

動くコミュニケーションデバイスと、小型搬送ロボットを使用したデモンストレーション

バーチャル空間を使ったイベントに挑戦し、新しいユーザ体験を提供

ーーオンライン開催を主にしたイベントでは、どのような気づきがあったのでしょうか。

高島氏 まずどのような形式でイベントを行なったかについてですが、「Gather Town(ギャザータウン)」というオンラインビデオ通話サービスを使って行いました。ロボットストリートのバーチャル空間を作り、その中でワークショップ・セミナー・ロボットバトル観戦などのコンテンツを、オンラインで提供しました。
ユーザ(参加者)はバーチャル空間内で、自分のアバターを作ってそれを動かしながら、各コンテンツを回遊。コンテンツは、クイズやゲーム等も充実させ、ワークショップやセミナーに参加しないユーザでも楽しめる仕掛けを散りばめました。

こうした枠組みや仕掛けの中で、ユーザ(参加者)がどのような動きをするのか、とても興味のあるポイントでした。

そして、当日のバーチャル空間内では、少し面白い事が起こりました。
ある一人のユーザが「ロボットバトル観戦、めっちゃ面白い!」とチャットに書き込みました。そのユーザはただ自分の気持ちを発信したかっただけだと思うのですが、違う場所にいた別のユーザが「どこでやっているの?」と質問を投げかけました。すると、「連れて行ってあげる。」「ありがとう。」というチャットのやり取りのもと、コンテンツのある場所までユーザを連れだって、一緒に観戦をするというコミュニケーションが生まれていました。この一連の行動は、リアルではあり得ないことだと思います。

リアルであれば「面白い!」と思ったことを、周囲にいる知らない人にわざわざ口に出して「面白いよ!」と伝える人はほぼいません。しかしバーチャル空間では、SNSのつぶやきに近い感覚で、自己の気持ちを発信する、体験を共有する、それらを通じてコミュニケーションを取る、といったことがスタンダードに行われます。リアルでは知らない者同士の壁が存在しますが、バーチャル空間だとそれが無くなったり低くなってしまうのだと感じました。そしてその事により、発信や共有という体験が浮き彫りになり、より距離が近く感じるのではないかと思います。

Gather Town

オンラインビデオ通話サービス「Gather Town(ギャザータウン)」を使用した、オンライン空間でイベントを実施

Gather Town

ユーザ(参加者)は、オンライン空間内のゲームやクイズコンテンツを楽んだ
空間内では、チャットによる交流も可能

3Dデータ作成ソフトをレクチャーする様子

オンラインワークショップで、3Dデータ作成ソフトをレクチャーする様子

ロボファイト

ロボットバトル「ロボファイト」

私たちにできる事は、こうした最先端テクノロジーによる「新しいユーザ体験」をひとつでも多く増やし、その質を上げるために、どのようなテクノロジーを活用したらいいのかを、常に模索し続けることです。
今回は普及率の高い「zoom(ズーム)」と相性がいいという理由で「Gather Town(ギャザータウン)」を使用しましたが、今後もその手段がベストかどうかは分かりません。

現に2022年の春に実施した、「キッズテックエキスポ」という子ども向けワークショップがメインのイベントでは、「cluster(クラスター)」というメタバースプラットフォームアプリを活用しました。これは、都市連動型メタバース「バーチャル大阪」でも使われているツールです。スマートフォンから既存のブラウザを使ってメタバースに入室できるアプリなので、参加ハードルも低く、子どもがゲーム感覚で楽しめるのではないかと採用を決めました。

このように技術進化は目まぐるしい業界ですので、常にアンテナを張りながら、よりベストなツールを選んで試していきたいと思います。

メタバースプラットフォームアプリ「cluster

メタバースプラットフォームアプリ「cluster(クラスター)」を使用した、バーチャル空間で「RoBO&Peace(ロボアンドピース)」を再現

GIGAスクール構想等の影響で、テクノロジーに関する保護者の関心度がUP

ーーGIGAスクール構想の影響は、あるのでしょうか。

それは、大いにあると思います。
特に2020年度は「プログラミング」が必修化になりました。この背景を受けてか、ロボットストリートの2021年のワークショップ出展5つの内4つがプログラミングでした。プロジェクト当初はものづくり系ワークショップが多かったので、随分様変わりをしました。

私たちは「RoBO&Peace(ロボアンドピース)」という子ども向けテクノロジー体験施設で週末ワークショップを行なっているのですが、年々参加する子どもの年齢が低くなっています。また、低年齢の子どもでも参加できるコンテンツが増えてきています。
以前は小学校中学年くらいの子から上が多かったのが、低学年の参加者も増えていますし、プログラミング体験をした事がある子もそれに比例して増えているように感じます。また、自分のパソコンを持っている子どもも増えてきている印象です。
週末ワークショップで「参加条件はPC持参」と書いて募集しても、影響がないほどです。皆、自分のパソコンを持っていて、難なく操作しています。

また、子ども自身よりも保護者の方の興味関心が高いとも感じます。
今はネットなどで、様々な情報が得られますし、コロナ禍で教育におけるテクノロジーの重要性が高くなったことも起因しているかもしれません。

RoBO&Peace

週末ワークショップを実施する「RoBO&Peace(ロボアンドピース)」

子どもたちのリアルな声を資源に、マーケティングやプロジェクト創出。
未来社会に還元していく

ーー今後、プロジェクトはどのように成長していくのでしょうか。

私たちの強みは、「ロボットストリート」や「キッズテックエキスポ」といった大型イベント、週末ワークショップで、実際に一般の子どもたちのリアルな声を拾えることです。また、子どもたちがテクノロジーに触れる様子を実際に見られることも大きいです。
また、近年では大型イベントと学会や大学との連携企画を行なっているので、そのあたりも今後、様々な化学反応を期待しています。
こうした取り組みを資源に、i-RooBO正会員企業のマーケティングや新たなプロジェクト創出に活用し、未来社会に還元していく。この循環をどんどんパワーアップさせていきたいと思います。

テクノロジーに携わる私たちにとって、次世代を担う「子ども」が先端技術に触れる機会を創ることは、社会的意義のあることだと考えています。そのためには、テクノロジーの進化や時代の変化に合わせて、「ロボットストリート」を常に進化させていくことは、私たちのミッションです。
そのミッションの一助を担ってくださる企業様・団体様がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にお声掛けください。

本日はありがとうございました。

ロボットストリート

https://robot-street.com
※毎年、秋頃に開催しています。

一般社団法人i-RooBO Network Forum

大阪府大阪市住之江区南港北2-1-10 ATCビル ITM棟3F D-1

「RoBO&Peace(ロボアンドピース)」

https://iroobo.jp/project/robopeace/

アイローボオープンテクノロジーセンター

https://iroobo.jp/project/iotc/

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