現場作業を、ニューノーマルな働き方に変えていく「遠隔支援カメラシステム」
株式会社リモートアシスト
株式会社リモートアシスト
本社:大阪府茨木市彩都やまぶき2-2-C1207
大阪オフィス:大阪市住之江区南港北2-1-10 ATCビルITM棟6F
電話場号:090-1070-8266
https://remote-assist.jp
※ソフト産業プラザTEQS入居企業
プロジェクト概要
株式会社リモートアシストが製造・販売を行う遠隔支援カメラシステム「リモートアシスト」。ウェアラブルカメラと Android 端末を使い、カメラ装着者と遠方のパソコンを結び、映像と双方向音声が共有できるシステムです。遠方の事務所から現場への遠隔支援、非接触での接客対応、テレワークなどに役立ちます。
起業のきっかけは、視覚障がい者の遠隔援護サービス
今回は、株式会社リモートアシストの代表取締役である藤井 慎一 氏にお話を伺いました。
ーープロジェクトが始まった経緯について教えてください。
藤井氏 創業のきっかけは、前職のパナソニック株式会社での経験です。
当時、主にAV機器のマーケティングを担当しており、その中でテレビの操作方法を音声で案内する「音声読みあげ機能」を、簡単に誰でも利用できるようユニバーサルデザインの考え方を取り入れ、周知する活動などを行っていました。
そこで初めてこの音声読み上げ機能が視覚障がい者の方のお役に立つ機能であることを認識しました。
私のイメージでは、目の不自由な方々はラジオを愛用されている印象でしたが、実際にはテレビの副音声などを情報源として活用しておられました。こうして、徐々に視覚障がい者が抱える課題を知る機会が増えてきました。
また同時期にパナソニックで、業務用のウェアラブルカメラ(小型カメラ)のマーケティングも担当していました。ふとウェアラブルカメラの映像を見ながら、音声でサポートする「視覚障がい者への遠隔援護サービス」を思いつき、会社へ働きかけました。しかし、組織との方向性の違いからサービスを発展させることは難しく、それであれば自分で開発・販売してみようと思い、55歳で早期退職し創業するに至りました。
現在は、遠隔支援カメラシステム「リモートアシスト」をコア製品として、その製造・販売とサービス運用に取り組んでいます。
「ボタンひとつ」「ハンズフリー」「視界シェア」で、現場調査を遠隔に
ーー遠隔支援カメラシステム「リモートアシスト」について詳しく教えてください。
「リモートアシスト」は頭部にウェアラブルカメラを装着し、装着者の目線映像と肉声を、アプリを通じて遠隔地にいる別の人間に送信することで、映像と音声を装着者と遠隔地にいる別の人間が共有することができます。
装着者と遠隔地にいる指示者が、リアルタイムで視覚と聴覚で簡単に繋がることができるシステムです。
現在一番お問い合わせが多いニーズは、現場調査時の活用です。
新型コロナの影響で人の移動制限がかかった際に、遠隔で調査を行いたいというお問い合わせやご相談をいただきます。そこで、あらかじめ遠隔地にカメラを送付し現場作業員がそれを装着して、チェック者複数名と画面を共有しながらコミュニケーションや指示を仰ぐというような使い方をされています。
本製品には「ボタンひと押し」で通信が開始できる、「ハンズフリー」で、しかもカメラ装着者と同視点が画面に共有される「視界シェア」という特長があります。
特にカメラを手に持って現場を調査するというのは、環境によっては危険な行為になりますので、弊社製品を選んでいただく重要要素となっています。また、利用者に5〜10分ほど説明すればすぐに使いこなせるという簡便さもポイントになっています。
本製品の他にも、従来のウェアラブルカメラ、通信機に加え、LEDライトや予備充電器などを専用アタッシュケースに収納した「BCPパッケージ」の販売も行っております。
これは、地震、大型台風、豪雨などの自然災害、感染症の拡大によって、欠勤者が大量に出たり、中長距離の移動が困難になってしまう等のリスクに備えた商品になっています。
サービス開始から2年半ほどで、約250社の企業へ導入
ーーどのようにプロジェクトが発展していったのでしょうか。
藤井氏 創業1年目は、視覚障がい者向けに、遠隔援護サービスをスタートさせました。当初から想定はしていましたが、視覚障がい者に特化したサービスだけでのビジネス展開は難しいものがありました。
ただ製品自体は、メイン利用層である目の不自由な方や高齢者が使いやすいよう、操作負荷を極力減らした設計・ユニバーサルデザインを採用していましたので、創業2年目からはIT機器に不慣れな方や高齢者も多い、製造・建築・土木などの現場作業者向けの遠隔支援カメラシステム「リモートアシスト」の製造・販売をスタートさせました。
新型コロナの影響によるリモートワークの拡充・定着という社会背景を追い風に、サービス開始から2年半ほどで、約250社の企業へ導入されており、導入件数は現在も増加しています。
万博を見据え、5G対応デモ機を開発中
ーー現在、取り組んでおられることを教えてください。
藤井氏 大阪・関西万博を契機としビジネスをさらに成長させるため、2020年7月TEQSに入居しました。ここは先端技術を活用したビジネスのサポート拠点であり、5Gの実証実験ができる「5G X LAB OSAKA」が併設されています。今後ますます需要が高まる5Gへの対応に備え現在5G対応のデモ機を開発中ですので、完成後は5G X LAB OSAKAに展示し、より多くの方々が製品に触れてほしいと考えています。
また、テレビやメディア取材を受ける場合にも、デモが行いやすい環境なので、とても助かっています。
万博はもちろんですが、その先には海外展開も視野に入れています。言語、サポートなどの運用面の体制を整えてから、いずれチャレンジしてみたいと思います。
ーーその他、取り組んでおられることはありますか。
他には、医療ルートへの拡販を狙っています。
弊社製品は医療関係の方にもご利用いただいているのですが、とある整形外科の先生から改善要望があり、それらを突き詰めていくとより良い製品づくりが期待できるのはないかと思い、現在議論を重ねています。
具体的なニーズとして、腰骨や背骨などの外科手術の際に、執刀医が患者の身体の深い部分に手を入れて「手技」を行うため、周りの研修医や看護師は先生がどのような手術を行っているのか見えないという課題があるそうです。
それを本製品のカメラを目と目の間に設置するようカスタマイズし、先生と同じ目線で手術の過程を体験学習できるように改良しようと考えています。
この他にも、手術時は施術部位に影が起こらないようキツく照明が当てられるのですが、これだと映像がハレーションを起こしてしまうので、ズームレンズを装着し照明が当たらない部分を撮影範囲から排除することにより、手技部分の拡大と白飛びの2つの課題を同時に解消することができました。
ニューノーマルな働き方を通じて、すべての人のQOL向上に貢献する
ーープロジェクト発展の先には、どのような社会を実現したいですか。
藤井氏 弊社はスタート時から、多種多様な業種の「現場で作業する人や場所」にスポットを当てて、事業イメージを膨らませていました。先ほども申し上げましたが視覚障がい者を対象とした遠隔援護サービスは当社創業の事業の柱でもあります。
日本では様々な業界で、労働力低下による生産性・品質の低下、高齢化による技術継承が途絶えていくといった社会課題があります。それに伴い働き方改革の推進といったキーワードが上がっています。
「ニューノーマルな働き方に変えていく。」を弊社ビジョンとし、遠隔カメラシステムを活用した遠隔作業支援による働き方改革、および視覚障がい者への遠隔援護サービスによるQOL向上に役立つことを目指していきたいと思います。
本製品を提案する際には、お客様のソリューションにどのようにフィットするのか、最適なプランを常に考えます。
リモートワーク、テレワークで業務を改善したい企業様、ぜひご相談ください。
株式会社リモートアシスト
本社:大阪府茨木市彩都やまぶき2-2-C1207
大阪オフィス:大阪市住之江区南港北2-1-10 ATCビルITM棟6F
電話場号:090-1070-8266
https://remote-assist.jp
※ソフト産業プラザTEQS入居企業