100PROJECT

100PROJECT

ドローンソフトウェア技術で、簡単で安全な飛行の実現へ

株式会社 RedDotDrone Japan

株式会社 RedDotDrone Japan

株式会社 RedDotDrone Japan

大阪府大阪市住之江区南港北2-1-10 ATCビルITM棟6階 M-1-8号
TEL: 06-6105-1544
https://reddotdrone.com
※ソフト産業プラザTEQS入居企業

プロジェクトの概要

株式会社 RedDotDrone Japanは、遠隔操縦、自律制御、自動制御、複数台によるドローン協調制御などのドローンソフトウエア技術を活用して、観光、スポーツ空撮、スポーツ運営システムの提供、フィールドスポーツ分析支援サービスなど、さまざまなサービスソリューションを展開しています。
主に観光分野では、「ドローン遠隔旅行」をキーワードに、各自治体と実証実験を行うなど、そのサービス化に向けて実績を重ねています。

ドローンソフトウエア技術を武器に、世界のトップへ

今回は、株式会社 RedDotDrone Japanの代表である三浦 望氏にお話を伺いました。

ーー御社の事業について教えてください。

三浦氏 弊社は、シンガポールと日本を拠点とした、ドローン空撮技術にフォーカスした企業です。所謂スタートアップとして、世界のトップを獲るというモチベーションで活動しています。

具体的には、ドローンの空撮技術にフォーカスし、次の動きの予測が難しい被写体を撮影するにあたり、ドローンのポジショニング、飛行パス、複数機による相互協調などを伴って、人的コストをミニマムにしたソリューションを提供しています。

三浦氏

三浦氏/株式会社 RedDotDrone Japan代表

例えば、スポーツ選手などは一定の中で外した動きをするため、次の予測がつきにくい。そのため、人がドローンを操縦しながら選手の動きを予想して、臨場感のある映像を撮るのは非常に難しいです。こうした課題に対し、ドローンを自律飛行させ、複数台ドローンを同時にコントロールする技術であるマルチ視点を使って、同時に複数からの空の視点を確保し、一般的な空撮だけでは体験できない迫力ある映像を観客に届けることができます。
また、セーリングヨットの大会やスノーボード大会などで、選手や道具にGPS受信機をつけて先頭の選手をドローンが追っていき、それを映像中継することもできます。

マリンスポーツ空撮の様子

マリンスポーツ空撮の様子

また、弊社のビジョンとして、人の仕事を奪う技術開発ではなく、人が持つ素晴らしい能力をブーストできるようなソフトウエア作っていきたいという想いがあります。そのため、弊社のソフトウエアは、特殊なスキルや資格を持っていない人でも簡単に操縦できるUI/UXにこだわった設計をしています。

ーーコアコンピタンス(強み)について教えてください。

現在は、電話回線を利用した遠隔操縦技術です。
インターネットを介した遠隔操縦により、数百キロ〜数千キロ離れた場所からの人によるドローンの操縦が実現できます。
ロボティクスの「遠隔操縦」と言えば現在は、重機の遠隔操縦、医療分野での遠隔治療などの技術も進んでいます。私たちは、それのドローン版です。
これらに共通して言えるのは、その場所で作業するよりも遠隔から作業する方が、コスト、手間、作業者のモチベーション面がプラスに働くということですね。例えば、空調の効いたオフィスでドローン操縦するのと、遠くて暑い現場でやるのとでは、全然違いますよね。断然前者の方が働きやすく生産性も上がります。

ドローン操縦

電話回線を使って、ドローン操縦する様子

これまでに、弊社のシンガポールオフィスから日本、ポーランドにあるドローンを遠隔操作する実験や、シンガポールの通信会社Singtelが運営する5Gラボ、京都府亀岡市サンガスタジアムでの5Gを利用した遠隔操作実験等など実績を積み重ねてきました。

その知見があるので、ここ大阪から、日本の裏側のブラジルでドローンをリアルタイムに遠隔で飛ばすこともできますよ(笑)。

ドローン×観光業で、誰もが楽しめる遠隔旅行を実現!

ーー力を入れている分野はありますか。

現在は、「ドローン遠隔旅行」です。
2021年、弊社の「ドローン遠隔操縦」の技術を、どこか活かせる分野はないかと探していた際に、コロナ禍で観光業が苦しんでいる現状から、遠隔で旅行をするという企画を考えました。
それまでも遠隔旅行という切り口の企画はあったのですが、内容は参加者が事前に収録された観光映像を視聴し、観終わったら現地の特産物を買う、という受動的なものが大半でした。

しかし、弊社のドローン遠隔旅行は、能動的かつどこかゲーム感覚もあり、非常にエンタメ要素の強い体験ができます。
例えば、観光地の城へドローンを飛ばします。通常の歩く道をドローンで飛ぶだけでも楽しいのですが、リアルでは観ることができない城の裏側を観たり、上空から城を眺めたりなど、様々な楽しみ方ができます。観光だけではなく、同窓会企画として使えますし、高齢者や身体障害者が、昔住んでいた場所に自宅からドローンを飛ばして、旧里を懐かしむような企画もできます。

近年「アクセシブル・ツーリズム」というキーワードが注目されています。
アクセシブル・ツーリズムとは、障害者や高齢者など、移動やコミュニケーションにおける困難さに直面する人々のニーズに応えながら、誰もが旅を楽しめることを目指す取り組みのことです。このドローン遠隔旅行は、それらを体現できると思っています。
お陰様で、NIRO(公益財団法人 新産業創造研究機構)による令和3年度ドローン先行的利活用事業(ドローン遠隔操作を活用した新たな観光促進事業)にも採択されました。
この採択をきっかけに、現在は、阪急交通社と協業し、ドローンの遠隔操縦を用いたリモート観光事業を展開しております。

ーー実際にドローン遠隔旅行を体験された方のお声は?

これまで高齢者や身障者、その他多くの方々に体験していただいていますが、今まで一度もネガティヴな感想を頂いておりません。楽しかった、またやりたい、という前向きな感想ばかりです。
もちろん、技術面では改良点もありますが、非常に筋のいいサービスとして手応えを感じています。

ーードローン操縦を、高齢者がするのは難しそうです。

弊社は、パイロット等の資格を持っていない人でも簡単に操縦できるUI/UXにこだわってソフトウエアを開発・設計しています。ですので、危険な操縦をしても、自動制御されたソフトウェアによって安全安心の飛行を体験できます。

またこれは実証をして分かったことですが、遠隔操縦を一般の方が行う際に、恐怖よりも楽しみが上回ります。理由は、目の前に機体があってそれを見ながら操縦していると、ぶつかるのではないか、きちんと操縦できるのか等、不安感が勝ってしまうのですが、ドローンに搭載されたカメラ越しの画面を観て操縦しているので、ゲームに近い感覚になるようです。それが恐怖心を取り払い、楽しい体験だけが残るということだと思います。

ドローンを活用した、社会課題を解決するサービスの創出へ

ーー今後はどのような活動をされていくのでしょうか。

ドローン業界は黎明期ということもあり、ハードウエアに着目されがちです。つまり、どれだけ重い装置を運べるか、どれだけ長い時間飛行できるか、といった「飛行」に焦点を当てられることが多いです。
ドローンを使ってどのようなサービスが提供できるのか、どのような社会課題を解決するのか、という上位概念的な発想からのものづくりは、まだまだブルーオーシャンです。ですから弊社は、この上位概念を持ってソフトウエア開発を行なっています。
こうした発想から、ドローンを活用した様々なサービスを創出していきたいと考えています。

ーー今後の活動において、障壁になるようなことはありますか。

大きく2つあります。
ひとつめは、遠隔操縦・ロボティクスは大抵、電話回線を使うのですが、電話が通じない場所では、遠隔操縦はできない。という課題があります。こちらは、弊社としては空の上の宇宙の衛星に注目していて、この部分の課題解決を図っています。

ふたつめは、ドローン業界には必ずついて回る話なのですが、技術に法整備が追いついていないという点です。現在の法律ではドローンを飛ばせる場所や条件が明文化されていないため、2021年に行なったいくつかの実証実験でも、飛行を受け入れてくれる自治体を探すのに大変苦労しました。

こうした背景から、ドローンが自分たちの生活を良くしてくれるもの、という社会受容性が広がっていくことが、この業界が発展する上で必要不可欠な課題です。社会に受け入れられれば、法律も変わってきますので。
実証実験を通じて昨年一年間でだいぶこの観点でも進んだと思いますが、もっともっと前に進めていきたいと思います。

ーー大阪・関西万博について、目指していること・活動されていることはありますか。

2025年は、意識せざるを得ないですね。
万博会場近くにあるこの場所にオフィスを構えたのも、何か万博でシナジーを残したいと思っているからです。
具体的には、阪急交通社とドローン遠隔旅行を万博絡みでできないか、思案中です。
また、サッカー場、フィールドスポーツへ適用できるドローンソフトウエア技術があるので、同時に何かできないかと考えています。

私自身、様々な場所でインキュベーションオフィスを経験してきたこともあるので、それぞれ地域の関わりの重要性は理解しています。
事業成長と同様に、地域との関わり方を模索していきたいと思います。加えて、今後の成長を見据えたチームビルドも行なっていきたいです。

もし本事業に興味がある企業様、団体様、働いてみたいエンジニア様がおられましたら、ぜひお問い合わせください。
本日はありがとうございました。

株式会社 RedDotDrone Japan

大阪府大阪市住之江区南港北2-1-10 ATCビルITM棟6階 M-1-8号
TEL: 06-6105-1544
https://reddotdrone.com
※ソフト産業プラザTEQS入居企業

一覧ページに戻る