100PROJECT

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先生と共に未来の教育を考える、教育プロジェクト

株式会社LearnMore

株式会社LearnMore

大阪市中央区南本町2-2-10
https://www.learn-more.co.jp/

プロジェクトの概要

“先生と共に教育の未来をより良くする”をコンセプトとした、教育ベンチャー企業の『株式会社LearnMore』。2025年の大阪・関西万博でも2つのプロジェクトを出展予定の同社が実現を目指すものについて、代表取締役社長の坂口 雄哉氏に詳しくお聞きしました。

先生たちが真に必要なことに集中できる環境をつくる

ーー御社の事業内容について教えてください。

坂口氏 はい。まず「Learn More = もっと学ぶ」という社名通り、教育事業がメインの会社です。経営理念に定めているのは『先生と共に教育の未来をより良くする』ことで、あくまで先生たちと一緒に教育を良くしていくのがコンセプトになります。教育ベンチャーとしてカテゴライズされることが多く、実際に子どもたちが使用するアプリ開発なども行っていますが、すべての発端として“先生と一緒にやって、子どもや教育現場のためになるものを作る”というのが当社の独自性です。

例えば『先生のミカタ』という大阪市に認定していただいた複合サービスを展開しており、その中に先生たちの働き方を調査・分析する“学校の健康診断”と呼ばれているものがあります。これは学校の先生たちにアンケートさせていただき、就業時間がどれくらいで、何に時間を費やしているのか、どの業務を重要視しているのか、どこに負担を感じているのか、などを調査するものです。その結果を、当社が現在保有している6,000件以上のデータベースと比較することで、教育現場や教育環境における改善ポイントなどが見える化され、先生や学校ごとにアドバイスや研修を実施させてもらっています。

またアドバイスするだけでなく、先生たちの実務支援として教育現場における“武器(ツール)”を開発・提供することも当社の事業で、そのひとつがATCや咲洲プレ万博などのイベントでも数回出展させてもらった『かんじぃPT』です。

つまらない漢字学習がAIによって、楽しいものに変わる

ーー『かんじぃPT』とは、どのようなサービスですか?

坂口氏 『かんじぃPT』は、AIを使って漢字学習を楽しんでもらうことがコンセプトのアプリです。利用者となる子どもたちは好きな漢字や覚えたい漢字などを選択し、自分の名前を入力します。そうするとAIが選んだ漢字で、その子を主人公とした起承転結の物語を7秒ほどで、作ってくれるというものです。選べる漢字は小学生の学年ごとに選択可能で、1ストーリーで3~10個程度の漢字を選ぶことを推奨しています。ATCでのイベント出展時は、文章だけでなく、そのストーリーを元にAIで描いたイラストで表現する絵本も制作してプレゼントして、たくさんの人に喜んでいただけました。親御さんからは「こんなに子どもがタブレットで真剣に勉強しているのは初めて!」という声や、9割以上から“続けさせたい! 友人にも勧めたい!”とのアンケート回答もいただいています。

一般的に学校の漢字学習は今でも書き取りが主流で、それが面倒で宿題が嫌になったり、勉強自体が嫌いになったりする子が多いそうです。それが『かんじぃPT』であれば、与えられた課題をこなすのではなく、子どもたちが主体的に物語を作り、漢字に触れられるので、楽しみながら漢字を覚えてもらうことにもなります。例えば授業の場面であれば、子どもたちがグループワークで「今日習う漢字を使って物語を作りましょう!」ということがスムーズにでき、それぞれが物語を発表し合うことで、自然と漢字が覚えられるようになります。また、ストーリーの起承転結で、“転”や“結”の部分をあえて生成せずに、子どもたちが話を考えるなどの使い方をすることで、文章の作成力や読解力の向上にも役立つと、専門家からも評価していただいています。

ーー『かんじぃPT』は、現在どのような形で利用されていますか?

坂口氏 WEBアプリとして提供していますので、まずひとつは学習したいお子さんをお持ちの親御さんが個人のスマートフォンなどでアプリに登録して、月額で利用料金をお支払いしていただいているパターンです。その他にも学校やフリースクールなどとはグループ契約を行っています。関西圏おもに大阪の小学校では、いくつかの学校と契約していますし、民間の放課後スクールや発達障害支援のグループなどでも、ご利用いただいていて好評です。

ーー今後、『かんじぃPT』はどのように進化していきますか?

坂口氏 このアプリの特徴のひとつが、子どもたちの学習ログを取得できることです。その特徴を活かして各学年の漢字を習得したら“漢字マスター”のバッチを付与したり、学習すればするほどキャラクターが成長したりするなど、子どもたちがさらに自然と漢字学習に熱中できる仕組みができればと考えています。ただ、これらの機能の実装はもう少し先の予定で、先に2025年の大阪・関西万博での出展の準備を進めているところです。

教育のポジティブなニュースを世界に向けて発信する

ーー大阪・関西万博には、どのようなサービスで参加予定ですか?

坂口氏 大阪・関西万博には期間中、2回出展予定です。この『かんじぃPT』については、2025年6月17日から23日の期間に大阪ヘルスケアパビリオンの大阪産業局枠となる「みんなで考える未来の街プロジェクト」で出展します。万博での『かんじぃPT』は日本語だけでなく多言語対応して、JLPTの日本語能力試験の検定試験を行えるバージョンを他社と共同開発していますので、楽しみにしていてください。

もう一方は2025年9月2日から8日の期間で、同じく大阪ヘルスケアパビリオンのりそな銀行枠にて、メタバースを活用した『バーチャル教室』のサービスを出展いたします。この『バーチャル教室』はメタバースでオンライン授業や子ども同士でコミュニケーションが取れる空間なのですが、特徴的なのが休み時間や放課後のような雰囲気を演出しているところです。現在も三重県の自治体において不登校支援として活用していただいていまして、学校には行きづらいけれども、この空間に行けば学習ができたり、クイズゲームに参加できたり、子ども同士や支援員の方ともコミュニケーションが取れたりします。会話でもしっかり顔を見せる必要はないので、不登校などで悩んでいる子どもたちにとっても利用しやすくなっています。

ーー大阪・関西万博で伝えたいメッセージは何ですか?

坂口氏 万博で出展するサービスは、どちらも新しい学びの形であると思っています。そして、GIGAスクール構想をはじめとした日本の教育の力や、教育に対するポジティブなニュースを世界に発信したいですね。私たちが目指すのは、先生が真に必要なことに集中できて、その教育を受けた子どもたちが社会で活躍し、学校や教育に対してポジティブな印象を持った人が先生になって戻って来る、好循環な社会を作ることです。この好循環を生み出すために、さまざまなことにトライしているというのを国内外の人々に伝えていきたいと思いますし、それを大阪・関西万博には期待しています。

株式会社LearnMore

大阪市中央区南本町2-2-10
https://www.learn-more.co.jp/

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