iRooBO ヘルスケア関連プロジェクト
一般社団法人i-RooBO Network Forum
一般社団法人i-RooBO Network Forum
大阪府大阪市住之江区南港北2-1-10 ATCビル ITM棟3F D-1
https://iroobo.jp/project/healthcare/
プロジェクトの概要
少子高齢社会におけるヘルスケア産業(健康・介護・医療・看護・予防等含む)に対して、先端技術を活用した機器やロボット、ICTシステムなど「テクノロジーの活用」をキーワードに、介護・医療現場への人手不足や業務効率化、サービス生産性の向上といった社会課題の解決に向けて取り組んでいます。
テクノロジーを活用して、ヘルスケア分野でイノベーションを!
今回は、プロジェクトリーダーである一般社団法人i-RooBO Network Forumの須藤氏にお話を伺いました。
ーープロジェクトについて、詳しく教えてください。
須藤氏 私たちはロボットビジネスの企業コンソーシアムとして、テクノロジーを活用した社会課題の解決に寄与する様々な分野のプロジェクトを創出してきました。
その中のひとつに「ヘルスケア」があります。
少子高齢社会において、ヘルスケア産業(健康・介護・医療・看護・予防等含む)の市場規模は今後ますます拡大していくことが予想されています。中でも「介護現場」における人手不足や業務効率化、サービス生産性の向上といった課題を解決するため、先端技術を活用した機器やロボット、ICTシステムなど、テクノロジーの活用が特に期待されています。加えて新型コロナウイルスの影響により、介護・医療現場への負担がますます大きくなったことで更に関心が高まってきたと感じています。
本プロジェクトの軸は大きく分けて2つの事業があります。
ひとつは「ヘルスケア分野のビジネス創出」です。
ヘルスケア分野で、テクノロジーを活用した新規事業を始めたい方、新しい製品・サービスを開発したい方を対象に、産学連携等の取り組みを行っています。
そして2つめの事業は「介護ロボットの開発・導入促進」です。
介護施設に介護ロボット、ICTシステム導入を促進するため、介護施設と開発企業のマッチングを中心に、ニーズ提供、販路開拓、PRの機会提供、導入に向けた実証実験のサポート等を行なっています。
本事業は、国の委託事業やものづくり補助金等に採択された経緯もあり、近年当団のヘルスケア関連プロジェクトにおいて、より力を入れている取り組みになります。
介護現場と開発企業の間にある「ギャップ」を埋める
ーー介護ロボットの開発・導入促進事業について、詳しく教えてください。
プロジェクト当初、介護ロボットの開発・導入促進事業では、主に当団の会員企業様が介護ロボット関連製品をローンチするために、主にPoCコーディネートを中心に行なっていました。「介護現場が求めている課題を解決するためには、どのような製品が必要なのか?」といった視点で、ニーズ調査やマーケティング調査を行い、2017年からプロジェクトを進めてきました。
しかしプロジェクトが経過するにつれ、テクノロジーの力で介護現場を豊かにするためには、PoC後の「製品導入フェーズ」にこそ課題があるのではないかと気付き、近年ではそこに力を入れプロジェクトを進めています。
他業界では、メールやクラウド、WEB会議等のパソコン操作を一通り必要とされる業務が大半なので、テクノロジー製品やサービスに対する意識、導入へのハードルも低い方が多いと思います。
しかし、介護業界ではいまだにWi-Fiが通っていない施設も多く、そういったところはスタッフの業務負荷か大きく、日常の業務に追われ機器導入を検討する余裕がない傾向にあります。
また、開発企業側もこうした介護業界の現状を把握することが難しく、製品を導入しても製品の特長やメリットが使う側に正しく理解されないまま使用され、結果「介護ロボット・ICTシステムは、高額なだけで使いものにならない。」と言われてしまうこともあります。
現在までに介護ロボット等に関する国や自治体の助成金・補助金制度がいくつも行われましたが、介護業界にテクノロジー製品があまり普及されていない現状を考えると、介護現場と開発企業の間にあるギャップを埋めない限り、業界に市場浸透するのは難しいのではないかと考えています。
本事業ではこのギャップを少しでも埋め、ひとつでも多くの介護ロボット・ICTシステムを導入するために、既製品をお持ちの企業様に対して、ニーズの情報提供に関するセミナーや介護施設とのマッチングの機会提供を行なっています。コーディネーターによる企業面談を通じて、製品に沿った課題をお持ちの介護施設を選定・マッチングし、確度の高い提案を行なっていただくための土壌づくりをサポートしています。
導入に向けては、分かりやすい説明資料の作成や、介護スタッフを対象とした使い方について説明会の実施などをサポートしています。 また、必要に応じて導入後のフォローや、導入できなかった場合のフィードバックも行いますので、今後の開発にもご活用いただいています。
ーー企業側からどんな反応があるのでしょうか?
須藤氏 当団がヘルスケア分野でサポートをしている企業の多くは、中小、ベンチャー系です。
大手のメーカー企業であれば、自社で介護施設の運営も行なっていることが多いので、製品開発、現場での実証実験、マーケティング調査等が直接できる環境下にあります。また、製品改良イコール直業務効率につながるといった側面があります。しかし、中小・ベンチャー企業は自社で介護施設を持っていないところが大半なので、アプローチの仕方や販売ルートの開拓方法が分からない、代理店を見つけるにはどうしたらいいのか等、開発以降のフェーズがスムーズに進みにくい状況下にあります。更に、新型コロナウイルスの拡大以降は、施設訪問も難しくなり、そういった状況に拍車をかけました。
こうした背景から、当団体が間に入って導入までの橋渡しを行うことで、介護施設側への抵抗感が少なく「純粋に製品自体に興味を持ってもらえるので、営業しやすくなった。」といったお声をいただいています。また、製品に沿った課題を持っている介護施設を選定し企業をマッチングするので、比較的確度の高い提案ができる面も大変喜ばれています。
また、マッチングがうまくいけば製品の実証実験を施設で行うこともできるので、その際に施設側の声が直接聞け、課題発見、アフターフォロー強化等の営業活動をアップデートさせるきっかけに繋がるので有り難いと言われています。
テクノロジーは、介護業界の人々を笑顔にする可能性が眠っている
ーー最後にメッセージをお願いします。
須藤氏 介護ロボット・ICTシステムの活用を促進し介護業界をより良くする、そのサポートを続けていくことが私たちの目標でもありミッションです。
介護業界といえば、人手不足、業務負荷、高い離職率等、挙げればキリがないほどの課題が山積しています。
しかし、テクノロジーの可能性は無限です。
適切なマッチングを通じて導入することで、現場の人手不足を解消し、業務効率を上げ、働いている方々を幸せにする可能性がいくつも眠っています。
これからも介護業界で働く人たちを一人でも多く笑顔にするために、これからもプロジェクトを邁進させていきます。
一般社団法人i-RooBO Network Forum
大阪府大阪市住之江区南港北2-1-10 ATCビル ITM棟3F D-1
https://iroobo.jp/project/healthcare/