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SDGs・ESDプロジェクト「EduTown SDGs -わたしたちが創る未来-」

東京書籍

SDGs・ESDプロジェクト「EduTown SDGs -わたしたちが創る未来-」

SDGs・ESDプロジェクト「EduTown SDGs -わたしたちが創る未来-」

https://sdgs.edutown.jp
東京書籍株式会社

プロジェクトの概要

SDGs・ESDプロジェクト「EduTown SDGs -わたしたちが創る未来-」は、小・中学生を対象に「SDGs=Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」に関する教材の作成・普及推進の活動を中心とし、持続可能な社会の創り手を育てることを目的にスタートしたプロジェクトです。

2015年の国連サミットでの採択を受け、教科書出版のリーディングカンパニーである東京書籍が本プロジェクトをスタートさせました。現在ではSDGsを推進するパートナー企業との連携が活発化し、全国の学校へ「SDGsスタートブック」の無償配布、「EduTown SDGs in ATC」を開設するなど、プロジェクトとしてさらなる広がりをみせています。

今回は、プロジェクトの担当者である東京書籍株式会社事業開発部の東井氏にお話を伺いました。(緊急事態宣言が発令されているなか、リモートでの取材となりました。)

「持続可能な社会の創り手の育成」は、教育界の大きなテーマに。

ーープロジェクトを立ち上げたきっかけや、目的について教えてください。

東井氏 2015年の国連総会で「SDGs」が採択されて以降、世界がこの目標の達成に向けて様々な行動を起こしています。2020年4月から実施されている新学習指導要領にも「持続可能な社会の創り手の育成」が明記され、学校の教育においても、さまざまな学びをSDGs的な観点で再構築していこうという動きがでてきています。「SDGsを起点に、持続可能な社会の創り手をどのように育てていくか。」ということが、教育界の大きなテーマの一つになっています。

私たちも教科書を発行する企業として、これからの社会を担う子どもたちがSDGsについて学んでいくために、何かできることはないか、という思いがありました。そこで、子どもたちや先生に、SDGsを分かりやすく学ぶきっかけとなるような教材を提供できないか、という考えに至り、「EduTown SDGs -わたしたちが創る未来-」プロジェクトをスタートしました。

パートナー企業との連携によりアップデート

ーープロジェクトを開始してから、どのような変化や外部の反応がありましたか?

東井氏 プロジェクトを開始した当初は、「SDGsとはどういうものか」「SDGs17の目標とはどのような内容か」といった情報を子どもたちにも分かりやすい内容で解説してWEBサイトで発信していました。それ自体、教材として評価をいただいておりましたが、一方で、単に内容を解説するだけでは、子どもたちがSDGsを自分ごととして捉えることが難しく、遠くの世界で取り組んでいることのように感じるというご指摘も先生方からいただいていました。

そこで、子どもたちにとって身近な企業の具体的な事例を教材として発信することで、子どもたちがSDGsをより身近に感じることができるのではないかという考えに至りました。
とはいえ、多様な企業に参画いただき、事例教材を作成していくためには、東京書籍だけの力だけでは実現できません。そこで、さまざまな企業との関係をお持ちの、株式会社日経BPおよび株式会社TREEとともに「EduTown SDGsアライアンス」を発足させ、SDGsに取り組む企業のプロジェクトへの参画を募ることにしました。
アライアンス発足後、約2年が経った現在、16社のパートナー企業様にご参画いただけるようになりました。パートナー企業が増えていくことで、子どもたちにとってはSDGsに関する具体的な取り組みが教材として配信されますので、EduTownSDGsが質の高い教育サービスになりました。また、アライアンスを組むステージには至っていないけれど、2030年を見据えて積極的に関わっていきたいと言ってくださる企業様も多数いますので、今後も多くの企業にご参画いただき、質の高い教材を増やしていきたいと考えております。

そして、多くの企業様にご参画いただけたことによって、従来からのWEBサイトからのコンテンツ提供だけに留まらず、「SDGsスタートブック」という学習冊子を作成し、配布することもできるようになりました。
この冊子は、お申し込みいただいた学校を通して、子どもたちに無償で配布しています。2020年度は,約1,200校、20万人を超える子どもたちに配布することができました。

冊子を手にとっていただいた先生からは「SDGsに関する教育をやりたかった。」「こんな教材を待っていた。」という声を多くいただきました。改めて教育現場のSDGsに関する教育への関心の高さを感じています。

なお、「SDGsスタートブック」については、2021年度版の配布も決まっており,2021年度は,約1,600校,30万人の子どもたちにお届けする予定です。

ーー現在提供している教材・コンテンツについて、詳しく教えてください。

東井氏 現在は、学習冊子とWEBサイトの2つの媒体で教材の発信を行っています。
「SDGsスタートブック」は、小学校高学年から中学生に向けて、SDGsの概要、17の目標に関する解説、そして、SDGsを推進する企業の具体的な取り組み事例、そしてワークシートで構成されています。

イラストや文字をバランス良く取り入れて作っているので子どもが一人で読むのはもちろんのこと、読んだ内容を元に先生がグループワーク授業の教材としても活用することができます。
先生がたからはとても好評で「コンパクトにまとまっていて子どもたちに説明しやすい。」「ワークシートがあって授業ですぐに使える。」などのお声をいただいています。

SDGs学習用WEBサイト(EduTownSDGs)は、冊子に掲載されている内容はもちろんですが、WEBならではのコンテンツとして多数の映像教材を配信しています。
加えて、身近なことや製品・サービスからSDGsについて考える「SDGsカード」や「バーチャル見学」など、子どもが楽しめるコンテンツも充実しています。GIGAスクール構想によって学校現場のデジタルシフトが起きてきていることもあり、WEBサイトのアクセス数もどんどん伸びていますので、今後もさらなるコンテンツ拡張をしていきたいと思います。

本プロジェクトのコンテンツは、WEBと紙の両面展開をしているので、まだまだ学校のICT環境が整ってなかったり、学校内でしかネット環境が使えないというような子どもには冊子を活用してもらうなど、学校や子どもの状況に合わせて学べる媒体を選択できるという側面も大きいと思います。

「EduTown SDGs -わたしたちが創る未来-」 https://sdgs.edutown.jp

ーーコンテンツに対する子どもたちの反応は?

東井氏 SDGsスタートブックを利用している、ある学校の先生に、子どもたちがどのページに興味を示すのか聞いたところ、「企業の取り組み事例」を中心に読む子どもが多いそうです。冊子をパラパラっとめくり、知っている企業のロゴが目に留まるとそのページから読み始めるそうです。
パートナー企業としてユニクロやGU、サントリーなど子どもでも馴染みのある企業様の社名が掲載されていますので、「サントリーって会社、知っているぞ。⇒天然水のCMやっていたよな。⇒どんな取り組みをしているんだろう。⇒なるほど、こんな取り組みか。⇒それはSDGsの目標の6番か。⇒じゃあ6番ってどんな内容なんだろう。」という流れで理解していくそうです。
自分の興味・関心があることをきっかけにして、SDGsを学び、世界の課題について考えるきっかけにしてもらっています。

また最近になって、学校から「出張授業」の相談をいただく機会が増えてきました。子どもたちがSDGsスタートブックを読んで企業の事例に興味を持ったので「企業と直接対話できる場所を作って欲しい。」といったお声をいただいています。
弊社に直接問い合わせされることもあれば、企業様に直接ご連絡されていることも多いようです。

プロジェクトのこうした副次的な効果もあり、提供するコンテンツをWEBや学習冊子に留めず、さらに次のフェーズに進みたいと考えています。

子どもがSDGsを学べる「場所」を創る

ーー次のフェーズとは、具体的にどういったものになりますか?

東井氏 SDGsスタートブックや学習用WEBサイトのコンテンツの質については、ご利用いただいている先生からご評価いただいていますので、これらをもっとたくさんの人の目に触れられる機会を増やしていきたいと感じています。
SDGsを自分ごととして捉え持続可能な社会を子どもたちにイメージしてもらうためには、冊子やWEBを「読む・見る」というコンテンツに加え、子どもがSDGsを肌で感じる・体験できるといった「学びの場所」を作っていくことが重要だと考えています。

そうした背景をもとに、東京書籍株式会社、株式会社キッズプロジェクト、おおさかATCグリーンエコプラザの3者協働でSDGs学習コンテンツ「EduTown SDGs in ATC」を開設しました。

SDGsのはじめの一歩がわかるコーナー

館内に17枚のSDGsの大型パネルを設置して、回遊アクティビティとしてシールラリーが行えます。

おおさかATCグリーンエコプラザ外観

開設場所である「おおさかATCグリーンエコプラザ」は、小・中学生の校外学習として活用されたり、環境に興味・関心のある高校生、大学生などが来館される場所なので、ここにコンテンツを設置することで教育現場の先生がたや子どもたちとのダイレクトな接点を持つことができます。見学・体験時はもちろんのこと、見学後に学校授業でWEBや冊子の教材を活用していただければ、SDGsへの理解がさらに深まると思います。

加えて、ここは環境を中心とした多くの企業様の展示ブースがありますので、SDGsを軸にした相乗効果も期待できるのではないかと考えています。
実際、現場アテンドスタッフのオペレーションでは、来館者にはまず私たちの「SDGsのはじめの一歩がわかるコーナー」で概要をご覧いただき、SDGsの全体像を掴んでから、館内にある展示企業様の取り組みがSDGsの17個の目標とどのように紐づいているのかという流れでご説明をされているそうです。そうすることで、お客様にも非常にわかりやすいと好評なようです。

また、2020年度は新型コロナウイルスの影響で団体見学が例年よりかなり少なかったようですが、小・中学校から「SDGsについて教えてほしい。」というお問い合わせは非常に多かったようです。
ですので、現在はコロナ禍で社会見学や出張授業などの取り組みが難しい側面もありますが、将来的にはこの場所でプロジェクトのパートナー企業様にSDGsの取り組み事例を子どもたちに紹介する講習会や、ワークショップなどの開催も考えています。この場所がSDGsを実践的に学べる場所として成長していけるように、2030年に向けて少しずつでも取り組んでいきたいと思います。

2030年の、さらに先の未来を目指して

ーー最後にメッセージをお願いします。

東井氏 SDGsの目標達成年である2030年に向けて、教科書・教材を発行する企業としても、持続可能な社会の創り手の育成に貢献していきたいと思っています。
いま中・高校生の子どもたちの中には、2030年には、社会に出て活躍している人もいるはずです。私たちの教材で今まさにSDGsを学んでいる子どもたちがやがて社会に出て、万博開催の2025年や2030年そのさらに先の未来をサスティナブルな観点で創造していくのです。これは非常に社会的意義の大きいことだと思います。

そのためにも、多様なパートナーとの連携を加速させ、プロジェクトの幅がさらに広がるようにさまざまなことに取り組んでいけらたら考えています。ですので、もしSDGsを推進しようと考えておられる企業様・自治体様がいらっしゃいましたら、お話だけでもしてみたいですね。ぜひ次の社会を創る担い手を一緒に増やしていきましょう!

今日はありがとうございました。

SDGs・ESDプロジェクト「EduTown SDGs -わたしたちが創る未来-」

https://sdgs.edutown.jp
東京書籍株式会社

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