100PROJECT

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『大阪ATCこどもエコクラブ交流会』を毎年秋に開催! 子どもたちが自分で考え行動する環境活動を支援。

一般社団法人環境文化フォーラム

一般社団法人環境文化フォーラム

https://www.kankyobunka.com/

プロジェクトの概要

毎年、おおさかATCグリーンエコプラザで開催されている『大阪ATCこどもエコクラブ交流会』は、大阪だけでなく関西の各こどもエコクラブがお互いの環境活動について発表し、意見を話し合うプロジェクトです。

今回は、本プロジェクトの発起人であり、現在は一般社団法人環境文化フォーラムの理事長を務めておられる宮城成和氏にお話を伺いました。

次世代を担う子どもたちの環境活動を支援し続ける

ーー宮城さんのプロフィールと「こどもエコクラブ」の繋がりについてお教えください。

宮城氏 私は滋賀県草津市の市職員として40年間勤務してきました。主には環境関係の技術者として、当初はゴミ問題や公害などの業務に取り組んでいましたが、「公害から環境へ」と時代が変わっていく中で、私の業務も環境基本計画の策定など、環境活動に関することへ変化していきました。
「将来の環境問題を解決するためには、どうすればよいのか?」と考えた際に、やはり大切なのは次世代を担う子どもたちへ、我々が経験してきたことを伝えて、子どもたちに考えて行動してもらうことです。それで子どもたちの環境活動を支援する取り組みを行おうと決めました。
その取り組みを通じて環境省が推し進めていた「こどもエコクラブ」というものを知り、全国大会を草津市に誘致しました。確か全国で6~7番目の早さだったと記憶しています。その経緯から、今日まで「こどもエコクラブ」に関わる活動を続けてくることになりました。

一般社団法人環境文化フォーラム 理事長 宮城成和氏

子どもたちと企業の環境活動をつなぐことを目指して

ーーATCとは、どのようなきっかけで繋がりが生まれたのですか?

宮城氏 「こどもエコクラブ」の全国本部が『公益財団法人 日本環境協会』になります。日本環境協会はエコマーク商品の認定を行っている団体でもあり、その認定を受けた企業さんの商品がATC11階の『おおさかATCグリーンエコプラザ』で展示されていました。その展示を見に行った際に考えたのが、「このような環境活動を行っている企業さんと、子どもたちの環境活動をつなぐことができないだろうか?」でした。それをきっかけにATCの担当者さんともお話をさせていただき、その一環として『大阪ATCこどもエコクラブ交流会』を開催したことが始まりになります。それが2017年くらいの話ですね。

ーーATCで開催されている『大阪ATCこどもエコクラブ交流会』は、どのようなイベントですか?

宮城氏 当初は大阪の「こどもエコクラブ」に集まってもらう予定でしたが、京都や滋賀のクラブにも声をかけたことで、関西全域の「こどもエコクラブ」が集う交流会となりました。一般的な環境フェスでは子どもたちはイベントに参加するお客さんの扱いになりがちです。しかし、『大阪ATCこどもエコクラブ交流会』は子どもたちが主役として、子どもたちの環境活動を壁新聞で発表することが基本になっています。子どもたちが1年掛けて活動した内容を発表し、他の子どもたちや大人が評価し、褒めてあげる場にしたいと思いました。そうした評価をしてあげることで、子どもたちがさらに次の活動へと展開するモチベーションにして欲しいという思いです。

参加する子どもたちの年齢はバラバラですが、小学校高学年から中学1・2年生くらいが中心となって発表してくれています。発表内容もそれぞれ違いますが、地域に根ざした環境活動が多いですね。地域文化や地域食材についての環境活動や、地域の森を守る活動など、さまざまなテーマで取り組んでいます。

長く活動を続けている「こどもエコクラブ」では、子どもたちが成長していることを感じます。小学校低学年の時に取り組み始めた活動を大学生や社会人になっても続けている人もいらっしゃって、10年くらい続けているので今度は自分自身が小さな子どもたちの活動をサポートする立場となりクラブに関わっている人がいるのは、本当にすごい事だと思います。

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ーーイベント内容は具体的にどのようなことをしていましたか?

宮城氏 コロナ前の2019年に開催した際は、おおさかATCグリーンエコプラザに多くの「こどもエコクラブ」の人たちが集まってくれました。イベントを3部構成にして、第1部では子どもたちが制作した壁新聞の内容を発表し、その発表内容について別の子どもたちが取材し合います。第2部は学校の先生をファシリテーターとして、環境をテーマに子ども同士で話し合うディスカッションタイム。そして、第3部ではイベントに出展してくださった企業さんに子どもたちが取材や質問を行うことで、企業さんにとっても子どもたちの環境に対する意識や考え方を知ってもらう取り組みとなり、とても良い感触でした。
残念ながら、その後はコロナ禍ということもあり、オンラインでの活動発表が中心という形式となってしまいましたが、それでも毎年活動を続け、2023年にはオンラインだけでなくリアルでも参加してくれるクラブが増えてきました。

日本の子どもたちから世界へ。環境活動の輪を広げる

ーー大阪・関西万博に向けて「こどもエコクラブ」として考えることはありますか?

宮城氏 本「こどもエコクラブ」は日本発の環境活動で、世界でもあまり例のないものだと思っています。こうした子どもたちの環境活動をひとつのブランドとして、2025年の大阪・関西万博で国内外に向けて発信することができれば、大きなきっかけになるのではないでしょうか。特に「こどもエコクラブ」の子どもたちが制作している壁新聞やポスターなどは、全国各地から集めればすごい数になってインパクトも大きいと思います。私の勝手な思いですが、「こどもエコクラブ」の全国フェスティバルなども期間中に万博会場で開催してもらえると嬉しいですね。その他にも世界共通の環境問題であるマイクロプラスチックについて、日本や世界の子どもたちが一緒になって考えや意見を話し合えたりすると、とても良い取り組みになると思います。

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ーー宮城さんが、これからの環境活動について思うことは、どんなことですか?

宮城氏 「持続可能な社会を、どう考えていくのか?」ということですね。私たちは先人や年長者からいろいろなことを教えていただき、自然との関わりを通してさまざまな経験をしてきました。例えばプールが無かった時代には川で泳いだり、また川の魚を捕まえて食べたりと。そうした地域や昔の文化をないがしろにするのではなくて、少し考えて次の時代に繋げて、上手く利用する方法を考えるべきだと思います。また、そのような考え方をできる子どもたちを育てていかなければならないと感じています。そのためにも、今私たちが置かれている環境と、真剣に関わっていくことが必要ではないでしょうか。

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