MIWATASU(ミワタス)を活用して、デジタルサイネージ広告効果の見える化に挑戦!
株式会社TOMORROW
株式会社TOMORROW
広島県広島市中区橋本町3-22 4F
https://best-tomorrow.com/
MIWATASU(ミワタス)
※5G X LAB OSAKAにも展示しています。
https://miwatasu-lp.net/hello-world/
プロジェクト概要
デジタルサイネージに特化した、視聴率や効果の可視化を目指したAIシステム「MIWATASU(ミワタス)」のサービス普及により、屋外広告分野(OOH)のマーケティング分析の向上・活性化を目指します。
※画像認識エッジAI開発の専門企業である株式会社フツパーと共同開発
効果検証ができないサイネージ広告とネット広告の「デジタル格差」を実感
今回は、株式会社TOMORROWの代表取締役である津川 大輔氏にお話を伺いました。(オンライン取材)
ーープロジェクトが生まれた経緯について教えてください。
津川氏 私自身の話になりますが、株式会社TOMORROWを創業する以前は、広島の総合広告代理店に勤務しており、そこでJR、市電など公共交通機関の構内に設置されている看板やデジタルサイネージなどの屋外広告(OOH)分野に従事していました。その一方で、WEBやCM制作にも従事していました。
それぞれの業務を通じて、WEBやYouTubeなどのネット広告に比べて、デジタルサイネージは費用対効果の数値化の仕組みが整っていないと感じていました。
WEB広告だとGoogleアナリティクスなどの解析ツールを活用して、広告表示回数、ページ来訪者数、購入者数などのデータを解析できるシステムがあります。しかし、デジタルサイネージ広告だと駅の利用者数をもとに「その人数には広告が見られているはず。」という希望的観測の話しかできません。
こうした「デジタル格差」が、両方に従事した結果、徐々に見えてきました。そして、その格差を是正できないか考えていた際に、新型コロナウイルスの影響で企業の屋外広告への需要が急激に減り、それがネット広告へシフトしだしました。確かにコロナ禍で交通機関を利用する人は劇的に減りました。ただ、だからといってそれらを利用している人がゼロになったわけではないですし、デジタルサイネージの広告効果もゼロになったわけではありません。ただ、それを立証する術もエビデンスも取れないため、これを機にデジタル格差がますます広がっていったように感じました。
私自身はマーケティングのプロとして、どちらか一方の広告しか使わないという単一的な戦略ではなく、適材適所を理解し多角的な戦略を打ってこそ、相乗効果が得られ最大のリターンが期待できると考えています。
そのためにはまずは、デジタルサイネージの広告効果を数値化できる仕組みを市場に提供したいと考え、2020年に起業しました。そして、デジタルサイネージに特化した視聴率や効果の可視化を目指したAIシステム「MIWATASU(ミワタス)」のサービスを開始しました。(※画像認識エッジAI開発の専門企業でもある株式会社フツパーと共同開発)
デジタルサイネージに特化した「視聴率・効果可視化システム」を開発
ーー「MIWATASU(ミワタス)」について、教えてください。
津川氏 まず名前の由来は、みんなを見渡してほしいと言う想いから「MIWATASU(ミワタス)」にしました。
このサービスは、既存のデジタルサイネージに設置し、AIカメラによるデータ分析で通行人数・年齢・性別・視聴者数・視聴率を見える化し、視聴者(通行人)の属性に合わせて広告を出し分け、その効果を最大化するものです。
いくつか特長がありますが、一番大きいメリットは「低コストで導入できる」点です。
AIは大手企業様が作っておられるケースが多く、導入するとなると1台100万円〜などが一般的ですが、本サービスは初期費用なく月額3~4万円から導入できます。
使い勝手も簡単です。コンセントに差してWi-Fiに繋ぐだけでサービスを利用する事ができます。パソコンが苦手な人でもお使いいただけるようにと設計しました。また、サイネージ1台ずつの視聴データをオンライン上で確認・管理できます。1日ごと、曜日ごと、1時間ごと、男女や年齢ごとでの視聴者数の推移をリアルタイム確認できるのはもちろん、その累計データも可視化されますので、それらをもとにデータ分析も可能です。
また、本サービスの導入障壁になりそうなプライバシー問題についても、徹底的に排除する仕組みを考えました。「MIWATASU(ミワタス)」は、AIが識別した顔データをクラウドに上げることなく処理します。要はデジタルサイネージが設置されてある現場で、カメラに映し出された顔映像をAIが瞬時に属性判断し、それらを文字情報としてサーバーに保存しているので、顔画像などのセンシティブな情報を管理する必要がないのです。
共同開発における切り分けは、AIのシステムを作っているのは株式会社フツパーで、データーを分析しているのが弊社となっています。
ーー今後のビジネス成長では、どのような業種にアプローチしていくのでしょうか?
津川氏 導入先はショッピングモール、スーパー、小売店などのサービス業を想定しています。こうした所には至る所にサイネージが設置されているので、まずはサイネージを運営されておられる広告事業者にアプローチしていきたいと思います。
カメラを付けただけでお客様に広告がどれだけ見られたか数値で解るので、同業他社様と差別化が図れると思います。
また、会員カードからの購入履歴や属性データを元にマーケティングを行うのが通説ですが、それだけでは購入者ベースの話に留まってしまいます。本サービスを活用して、潜在層の発掘や時間別での顧客流入数を見える化し、より一層の売り上げ向上に貢献できるような提案をしたいと考えています。
現在、広告配信システムは別物ですが、今後は、女性が通れば女性向けの映像を流すなど、AIによる広告の出し分けシステムも検討したいです。できれば導入価格は同額でサービスを拡充していければ理想的ですね。
既にカスタマイズのご依頼も入っていますので、早々に実現できればと思います。
ーーお客様の反応は? サービスのボトルネックになる事はありますか?
津川氏 商品の評価は高いです。デジタルサイネージの広告効果を数値化することについては、数年前から要望も上がっていたようです。
ただ、サイネージ関連の業者が具体的な数字を表に出したくない側面もあるようです。理由は、設置場所によっては、数字が振るわない可能性があるサイネージの存在が浮き彫りになるのを懸念しているようです。こうした事が今後サービス普及のボトルネックになると考えています。
また、目と眉毛だけで人の年齢を判断するのはAIでも難しいので、マスクあり・なしでの分析精度には大きな開きがあります。ですので、このあたりの精度をどのように上げるのかも今後の課題だと感じています。
これまでに5~6件ほど実証実験を実施しており、その都度、前向きな課題が出てきています。さらに改修を重ねていき、より精度の高いサービスを実現していきたいですね。
5G×4K動画×AI技術×自動運搬ロボットによる新しい広告配信モデルを検証
ーー実証実験について、教えていただけますか?
実証実験の経緯は、2021年3月からATC6階の「5G X LAB OSAKA」に展示していたMIWATASU(ミワタス)を見て、株式会社ロボリューションにお声掛けいただいたことから始まります。この企業は、「自立型の移動ロボット」に広告、警備、掃除、物販などのサービスを付加することで、移動に新たな価値を加えるソリューションを提案されています。
このお声掛けにより、自立型の移動ロボットにMIWATASUを取り付け、広告を配信しながら商業施設内を巡回させることで、新たな広告配信サービスの有効性を実証できないかという話になりました。
具体的な実証実験の内容は、ロボットに搭載されているサイネージ画面上にMIWATASUを取り付け、YouTube動画配信しながらATC内を巡回。その間の視聴者の属性データ、視聴率の取得を行いました。
加えてサイネージ画面には、店舗告知とクーポン用のQRを表示し、視聴者がロボットの巡回する1Fから、店舗のある4Fへ移動し、クーポンを使用するかの検証も行いました。
また、出会いのきっかけになった5G X LAB OSAKAの5G環境も組み合わせることで、解像度の高い広告映像がクリアな状態で視聴できるようにしました。
ーー最後にメッセージをお願いします。
今後、屋外広告分野(OOH)はますますデジタル化されていくことが予想されます。
その際に、紙であったものがデジタル表示になっただけ、ではあまり+αがありません。そこに「見える化」「分析」という工程が加わってこそ、デジタル化される意味があるのだと弊社は考えます。
デジタルサイネージの広告効果を見える化によって、顧客分析や売上向上に貢献できるよう、更にサービスを拡充していきます。
ご興味のある企業様がありましたら、ぜひお問い合わせください。
一緒にビジネスを成長させましょう!
本日はありがとうございました。
株式会社TOMORROW
広島県広島市中区橋本町3-22 4F
https://best-tomorrow.com/