100PROJECT

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障害の有無に関わらず、誰もが共に活躍できる社会へ

NPO法人日本アビリティーズ協会

NPO法人日本アビリティーズ協会(本部)

〒151-0053東京都渋谷区代々木4-30-3 新宿ミッドウエストビル
03-5388-7501

NPO法人日本アビリティーズ協会(大阪事務局)

〒536-0007大阪府大阪市城東区成育2-16-15 アビリティーズ・ケアネット㈱大阪営業所内
06-7711-5780

アビリティーズ・ケアネット株式会社(本社)

〒151-0053 東京都渋谷区代々木4-30-3 新宿ミッドウエストビル

アビリティーズ・ケアネット株式会社(大阪営業所)

〒536-0007大阪府大阪市城東区成育2-16-15 
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https://www.abilities.jp/

プロジェクトの概要

アビリティーズは、1966年から、「保障よりチャンスを」の理念のもと、障害のある方の社会参加の拡大、雇用の推進等をめざした、アビリティーズ運動を展開しています。
NPO法人日本アビリティーズ協会は、障害の有無に関わらず誰もが自分らしく暮らせる社会を目指し、法律制定前から障害者差別解消法に関する意見書提出や啓発活動を行ってきました。
また、グループ会社のアビリティーズ・ケアネット株式会社は、その理念を実際の形にする実証体として、「高齢者や障害のある方が自分らしく暮らせる街づくり」を目指して、福祉用具・機器の販売、レンタル、住宅や施設のバリアフリー化・ユニバーサル化を進めるための事業を展開しています。
今回、大阪・関西万博が開催されるにあたり、障害のある方でも来場しやすいように、『未来のおむつコレクション』への後援(ランウェイ用に車いすの貸出し、会場のおむつ交換スペースへのリフト貸し出し等)、関西国際空港や会場内・アクセシビリティーセンターのトイレへの移乗用リフトの貸出し、などの取り組みを行っています。

「人間に無能力者はいない。あるのは能力者だけだ」(アビリティーズの綱領より)
今回は、NPO法人日本アビリティーズ協会の冨崎氏と、後藤氏にお話を伺いました。

ーー協会が設立されたきっかけとは?

冨崎氏 高齢化や多様化が進む社会で、私たちは「共に安心して暮らせる仕組み」を持てているでしょうか。今からおよそ60年前、日本では障害者の就労や生活環境は極めて厳しい状況にありました。
当時、福祉用具やバリアフリーの概念はほとんどなく、当たり前のように差別意識が存在し、障害のある人は限られた軽作業にしか就くことしかできなかったときいております。移動や日常生活にも大きな制約が伴っていました。

そんな時代、当協会の創立者・伊東弘泰は、ポリオによる障害がありましたが、それを理由に、就職時に試験すら受けさせてもらえないという現実に直面しました。「障害があるからできない」という社会の常識を変えたい――その思いから1966年、「日本アビリティーズ協会」(2001年よりNPO法人化)を設立し、障害者が能力を発揮できる場を創ろうとしたのです。
その理念を実際に証明するために、障害があってもなくても共に働き、活躍を目指し、そして利益を出し納税する会社、アビリティーズ・ケアネット株式会社(現社名。当時は、(株)日本アビリティーズ社)が誕生しました。「アビリティーズ」とは「能力」という意味です。

やがて、協会と株式会社は一体となって、就労支援や、海外からの福祉機器の導入や制度改善の働きかけなど、多方面で活動を展開しました。

活動への思いを語る後藤さん(左)冨崎さん(右)

ーープロジェクトが生まれた経緯とは?

冨崎氏 プロジェクトの原点は、アビリティーズの理念そのものです。「障害の有無に関わらず、共に活躍できる社会」を日本にも根付かせたいという思いにあります。
海外では障害者がサポートを受けることは、日常の一部として受け入れられていますが、日本ではまだ特別視されがちです。この文化の違いを埋めるため、「物理的な環境改善」と「意識や制度の変革」を同時に進めています。
 万博に限らず、常に行っていることですが、公共施設や商業施設に限らず、小規模店舗や学校、地域コミュニティまで幅広く、誰もが日常的に訪れる場所に「物理的にも感情的にも社会的障壁を取り除くこと」を根付かせることを目指しています。

 

 

誰もが同じスタートラインに立てる社会へ

ーープロジェクトを通じて実現したい社会とは?

冨崎氏 創立当時から、アビリティーズが目指し、活動してきたことですが、障害の有無を理由に生活や選択が制限されない社会の実現です。
例えば、車いすだから行けない場所、視覚障害があるからできないと思われている仕事――こうした制約を社会からなくし、誰もが同じ環境で学び、働き、暮らせることを当たり前にする。これは単なる設備改善ではなく、人々の意識を変える文化づくりでもあります。

ーーそのような社会を実現するために、取り組んできた活動とは?

後藤氏 私たちがまず取り組んだのは、「目に見える改善」でした。
創業当初は、生活の不便を補うために、車いすや自助具の提供から始まり、その後はバリアフリー化を進めてきました。
例えば、段差解消リフトやスロープの設置、組立式トイレの導入など、車いすの方や視覚に障害のある方、誰もが使いやすい環境を整えることです。ただ活動を続けていく中で、それだけでは足りないと感じました。現場に足を運ぶと、「設備はあるけど、使いにくい」「使い方がわからない」「周囲の目が気になって遠慮してしまう」といった声が多くて…。結局、「使われないバリアフリー設備」になってしまうケースが少なくありませんでした。
そこで、設備の提案と同時に、事業者やスタッフ向けの教育、セミナーや研修を始めました。研修では、法律や合理的配慮のこと、実際にサポートするときのポイントなどを丁寧にお伝えしています。また、障害者差別解消法の制定・改正に向け、国(当時の内閣や関係省庁等)への意見書提出に加え、毎年大阪で開催される「バリアフリー展」や、他の団体とも協力して、自治体にも啓発活動を積極的に行ってきました。資金やスペースが限られていても、できる工夫は必ずあるんです。

  

ーー活動を通じて何か変化したことはありましたか?

後藤氏 活動を続ける中で、私たちは「見えない心のバリア」こそが最大の課題だと気づきました。設備が整っていても、助ける側は「声をかけていいのだろうか…」とためらい、助けられる側は「迷惑ではないだろうか…」と遠慮してしまう。こうした気持ちの壁が残っている限り、本当の意味でのバリアフリーは実現しません。
さらに感じるのは、意外と多くの方がバリアフリーのための商品や設備そのものを知らない、ということです。せっかくの商品や仕組みがあるのに知られていなければ活用されません。そこで私たちは、それらを広めることも大切な役割だと考えています。
そこで近年は、「心のバリアフリー」、啓発活動や情報発信に一層力を注いでいます。動画や事例紹介を通じて、サポートをすることも、サポートを受けることも、自然なことだと知ってもらう。助けることも助けられることも、ごく当たり前の社会の姿として根付くよう、働きかけを続けています。
また、活動の中で、様々な団体や施設とのご縁も広がっていきました。例えば、西日本最大級の福祉展示場であるATCエイジレスセンターさんとは、長くお付き合いがあります。もともとは当社のオリジナル車椅子や福祉機器を展示させていただいたのがきっかけでした。現在は常設展示はしていませんが、これまで多くのご協力をいただいてきた大切なパートナーです。
代表やスタッフの間でも、「地域の大きな拠点として、これからも一緒に取り組んでいきたい」という思いを持っています。

ーー万博共創チャレンジへの参加もされているのですか?

冨崎氏 活動の広がりの中で、新たな大きなステージが加わりました。
それが「TEAM EXPO 2025」共創チャレンジへの参加です。大阪・関西万博を契機に、多様な人々が交わり、新しい価値を生み出すこの取り組みに、私たちも参画することを決めました。

「障害の有無に関わらず、共に活躍できる社会」という理念を、より多くの人に知ってもらう絶好の機会です。万博では、来場者が実際に触れ、体験し、気づきを持ち帰れるような展示やワークショップを企画しています。単に製品や設備を紹介する場ではなく、助ける・助けられることが日常の延長にある、そして一緒に楽しむことができる――そんな文化を体感できる空間を目指します。

万博という世界的な舞台を通じて、これまでの活動をさらに加速させ、全国、そして海外へ誇る日本のアイデンティティを広げていくきっかけにしたいと考えています。

TEAM EXPO 2025 共創チャレンジセミナー 風景

配慮から共生へー諦めない社会をめざして走りつづける

ーー今後の成長・展望は?

冨崎氏 これからは、自治体や企業との連携をもっと広げたいですね。地域ごとに持続可能な仕組みを作っていくことが目標です。あと、インクルーシブ教育にも力を尽くしたい。小さいうちから、障害がある子もない子も同じ場で学び、過ごすことで「困っている人がいたら共に手を差し伸べる」、「多様性」という文化に触れていれば、大人になってもその感覚は当たり前になりますから。

私たちは、障害があってもなくてもお互いを支え合い、活躍できる社会を一緒に作りたいんです。単なる「配慮」だけではなく互いに支え合う「共生社会」を目指すことが大切だと思います。そのために、日本アビリティーズ協会とアビリティーズ・ケアネット、それぞれの強みを活かしながら、これからも走り続けます!

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