100PROJECT

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親子で防災ミニキャンプ プロジェクト

あべの親子防災部(特定非営利活動法人ミラクルウィッシュ)

あべの親子防災部

あべの親子防災部(特定非営利活動法人ミラクルウィッシュ)

活動拠点:大阪市阿倍野区
Email: info@mwish2014.link
あべの親子防災部
インスタグラム
※咲洲こどもEXPO参加プロジェクト

プロジェクトの概要

あべの親子防災部は、大阪市阿倍野区を中心に乳幼児を子育て中の家庭が災害時に自身の命とわが子の命を守れるようになることを目的として発足しました。地域に密着した防災啓発イベントや、SNSを活用して防災に関する情報発信をしています。
防災啓発プロジェクトの1つ「親子で防災ミニキャンプ」は、親子で楽しみながら防災の知識を学び、体験できるイベントです。実際に体験することでいざというときに役立つノウハウを身につけられるプロジェクトです。

東日本大震災の日に妊娠が判明

ーープロジェクトが生まれた経緯を教えてください

益田氏 そもそも防災のプロジェクトをはじめたきっかけは、私自身の妊娠なんです。はじめての妊娠を産院で告げられたのが、ちょうど2011年の3月11日東日本大震災の日。子どもを授かったことがわかり、母親になれる喜びを胸に自宅に帰ると被災地の状況がテレビで流れてきたんですね。「この状況で子どもを守れる親になれるんだろうか」と強い不安を抱きました。同時に「子どもを守るために親として防災を学ばなければ」と強く感じたんです。
それから、数年間子連れで参加できるさまざまな防災講座に参加して、防災を学びいろいろな防災グッズを試してきました。その後ご縁があって、「ほくせつ親子防災部」の活動に参加。その中でやはり、地域に根ざした活動が大事なことを痛感し、当時住んでいた三田市で「さんだ女子防災部」を立ち上げました。その後、大阪市阿倍野区に転居したことをきっかけに阿倍野区でも「あべの親子防災部」を発足。現在は阿倍野区のさまざまな団体と協働して、防災啓発に取り組んでいます。
保育園や幼稚園、学校とまだつながっていない乳幼児を子育て中の方は、防災についての情報を得られる機会が限られています。私たちと出会うことで、防災に関心持ってほしいですし、地域の中でつながりができることで、いざという時に助け合える関係性が構築できると思っています。

親子で楽しみながら防災を学べるプロジェクト

ーー「親子防災ミニキャンプ」プロジェクトとは?

益田氏 今回、A T Cで実施された『咲洲こどもEXPO2021』に参加させていただき、「親子防災ミニキャンプ」を実施したのですが、1番のメインは防災クッキングです。これは防災時にも温かい料理を食べられるようにカセットコンロとポリ袋で作る料理です。材料をすべてポリ袋に入れ、湯煎で調理するのですが、何ごとも実際に経験していないといざというときに上手くできないんですね。ですので、平時の間に親子で体験しておいてほしいと思い、提案しています。

あべの親子防災

昨年からこの防災クッキングはオンラインで何度も実施しているんですが、「思っていたより美味しい」という声が多く寄せられました。簡単で美味しくできて、さらには洗い物が少なくて済むんです!パパとお子さんが参加してお昼ご飯を作ってくれるので、ママとしては助かる!という声も(笑)。
ポリ袋に材料を入れて湯煎している間を「グツグツタイム」と呼んでいますが、その20〜30分の間に防災について参加者の皆さんと話しています。こどもE X P Oの際には、段ボールスリッパを作ったりしました。

あべの親子防災部

また、今回はアウトドアブランドのLOGOSさんにご協力いただき、テントを参加家族分張っていただき、さらにはテントの設営もみんなで体験させていただきました。

あべの親子防災部

他にも簡易トイレを製造・販売されている株式会社サンコーさんにもご協力いただき、トイレの組み立て体験や、凝固剤が実際に使うとどんな風になるかも見ていただきました。トイレに関しては災害時とても大きな問題となっているので、その状況を知っていただき、備蓄への意識を持っていただきたいと強く思っています。

あべの親子防災部

同時に会場では防災部スタッフが厳選した防災グッズも展示しました。
小さいお子さんがいる家庭でどんなものを備蓄しておけば良いかわからない、という声も多いので、実際に見て参考にしていただけたと思います。

あべの親子防災部
あべの親子防災部

地域団体と連携し、地域に根ざした防災活動を

ーーその他の防災部の活動を教えてください

益田氏 阿倍野区の公園を拠点に「おさんぽ防災」という企画も定期的に実施しています。こちらも「あべの外遊びの会」という団体と協働実施をしており、親子でお散歩しながら防災についてみんなで考え合うイベントです。小さな子どもがいるとやはり視点が違って、いつもは自転車で通り過ぎている道のどこに危険があるかを確認しあっています。参加者の方からは、さまざまな発見だけでなく「(子どもが)こんな距離を歩けることにびっくり」という声も。散歩の後には、外遊びの会の方から公園にある草花を使った遊びを教えていただくことも。災害時、何もない状況であっても子どもたちが遊びを見つけられるといいなと思っています。それぞれの団体の得意を生かしあっている活動ですね。

あべの親子防災部

▲「おさんぽ防災」で防災のサインについて解説する益田氏(左) ▲親子で散歩しながら危険な場所を確認します(右)

また、現在「親子防災ノート」を作成しています。私自身が10年間防災を学んできたことをしっかり伝えられたらな、と。これまでもほくせつ版、さんだ版を作成してきたのですが、その地域ならではの情報や必要な備えがあるので、あべの版独自の情報も盛り込んでいます。阿倍野区役所の方とも連携を進めていて、先日は備蓄倉庫も見せていただきました。地域に備蓄はありますが、もちろん十分ではない。改めて自分の命は自分たちで守らないといけないと感じましたので、「親子防災ノート」が防災について考えていただけるきっかけとなってほしいですね。

子育て中の家庭に本当に必要な防災グッズの開発が目標

ーー今後の目標や展望は?

益田氏 子育て中の私たちにとって本当に必要な防災商品を作りたいです。簡易トイレを製造されているサンコーさんとお話しする機会をいただいて、「こんなトイレがあれば」ということをお伝えしたら、商品化してくださって。私たちの声がカタチになったことが本当にうれしかったです。普通のお母さんだけど、10年間防災を考え続けてきた私たちの声からできた商品やコンテンツがもっと増えたらいいな。そうすればもっと子育て中の家庭のお役に立てるのかな、と思っています。
また、この活動は地域に密着しているところに意味があります。ですので、同じようにそれぞれの地域で防災をママ・パパたちに伝えられる仲間を増やしたいと思っています。例えば各エリアの子育て支援施設に、防災リュックが常に設置してあり、いつでも見られる、とか。まだまだ地域とつながりがないママ・パパたちに届けていきたいです。

私が防災に関わるきっかけをくれた娘は今年10歳になりました。これまで一緒に活動してきて、今では防災士の資格を取りたいと言ってくれています。親子で一緒に伝えていける存在になってくれていて、10年前の思いを実現できつつあるかな、と感じています。親子で参加していただいてる防災クッキングイベントなどでも、小学生だから伝えられることがあることも実感しています。今後も一緒に活動していきたいですね。

あべの親子防災部

▲オンライン防災クッキングや動画配信でも活躍中のこまっすー(10歳)

あべの親子防災部(特定非営利活動法人ミラクルウィッシュ)

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