100PROJECT

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「IoT・AI」を活用した自動化で生産性を上げ、日本の製造業の競争力向上に貢献する!

スリーアップ・テクノロジー

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スリーアップ・テクノロジー

〒530-0042
大阪府大阪市北区天満橋3丁目3番5号 天満インキュベーションラボ406
https://3up-tec.jp
※スリーアップ・テクノロジーは、一般社団法人i-RooBO Network Forum(ATCビル ITM棟 3F入居)の正会員です。
https://iroobo.jp/

プロジェクトの概要

製造業向け産業用IoT・AI装置の開発・設置を進めています。新しいテクノロジーを使って生産現場の課題解決に取り組みたいが、なかなか前に進まない企業に対して最適な提案と現場実装を提供しています。

「IoT・AI」✕「現場力」で、日本のものづくりに貢献

今回は、スリーアップ・テクノロジーの代表である三上 典秀氏にお話を伺いました。

ーー御社のドメインについて教えてください。

三上氏 まずは、私自身のバックボーンからお話します。
製造業のFAエンジニアとして、20年余以上活動しています。その中で中小企業を中心に 500社以上の現場を訪問し、修理・据付・点検・ネットワーク化など現場力を徹底的に磨き上げてきました。2015年頃からの急速な技術革新(IoT・AI)に感動し、思う存分やってみたいという気持ちから2017年に独立を決意いたしました。
「IoT・AIを使った技術で、日本の現場に貢献する」をコンセプトに、日本の製造業に新しいテクノロジーを取り入れ自動化を実現し、その競争力向上に貢献したいと考えています。

ーー業界における御社の強みはどこですか。

三上氏 弊社の強みは、「低コスト」「確かな現場力」「ワンストップ提供」にあります。具体的には、「オープンソース」という、インターネット上で開発・公開されている無料で利用できるソフトウェアを活用して、従来にはない革新的なサービスを低コストで開発・提供しています。
製造業では、昭和に製造された生産設備が現在も主力で活躍している現場が多くあります。
その為、IoT導入の為に莫大な費用をかけて制御装置を更新することに抵抗がある経営者様は多いと感じております。
IoT技術を提供するIT系の企業側も、電気配線や改造工事などに弱いので、万が一、制御盤(PLC)を破損させてしまうなどの事故が起こった場合には賠償問題に発展するリスクもあるため、なかなか双方が着地しません。
その点、弊社は私自身のFAエンジニアとしての経験と実績をもとに、IoT技術と現場を繋ぐことができます。現場で使える・役立てるシステムにするための提案・開発・導入を進めることができます。
また弊社のシステムは、昭和に製造された設備に後付けできるのが特長です。制御盤(PLC)を直接加工することなくご提供できる点も安心感があり喜ばれています。
さらに、システム導入時には必ず必要になる設備工事についても、現場確認・機器設定から設計・制作、改造工事までワンストップで行います。
クラウドについても、クラウド構築、ソフトウェア構築、可視化画面構築までワンストップで実施しています。
既存の生産設備を活かしながらも、新しいテクノロジーを導入して現場を向上させたい。確かなデータに基づいた工場運営を目指している経営者様との相性が良く、お陰様で独立以来、多くのお客様に喜んでいただいています。

三上氏

生産設備の制御盤に後付したIoTユニットの前で微笑む三上氏

ーー事業内容・提供しているサービスについて教えてください。

前述した強みを活かし、「IoT技術を使った設備稼働監視システム」と「AI画像認識システム」という2つの事業を行っています。
「IoT技術を使った設備稼働監視システム」は、工場の稼働状況をリアルタイムで監視できるシステムです。生産ラインの心臓部である制御盤(PLC)から生産数、サイクル時間、気温、温度、金型温度、振動センサなどの情報を取得し、稼働状況の見える化・データ化を行います。また、そのデータを自動でクラウドにアップし、遠隔からモニタリング、コミュニケーションすることもできます。
昭和期に作られた古い設備ではデータ取得が難しく、工場から離れた場所(例えば事務所など)から稼働監視することはできませんでした。
しかしIoT技術を活用すれば、それらは可能になります。自動監視システムがない工場では、稼働状況を約30分から1時間に1回の頻度でオペレーターが手書きで書面に記録しています。人的作業ですので、当然書き手のスキルや習熟度によって精度にバラつきが生まれますし、都合の悪い情報は載っていないことが多いです。
IoTによって設備稼働データが自動的に記録・見える化されていると、品質不具合が発生した時の原因追求がスムーズになりますし、発注元への説明もしやすくなります。取引先による工場ご視察時にも、品質体制に安心していただけるなどのメリットもあります。

設備稼働監視システム 概要

設備稼働監視システム 概要

ーーデモ環境がATC内にあると聞きましたが。

三上氏 はい。ATCにある自動化支援拠点「IATC」「IATC-Lab.」内に、「工場のあらゆるデータを見える化するソリューション」として本システムを活用した実証環境があります。
ソフトバンク社と連携しながら5G環境化で提供しています。
これは、IATC(ATC11階)に設置されている本物の制御盤(PLC)に本システムを取り付け、取得したデータを5Gでクラウドにアップし、IATC-Lab. (ATC3階)から遠隔でモニタリングやコミュニケーションができるという仕組みです。
実際の現場により近いカタチでデモ体験することができますので、ユーザ企業様がシステム導入後のイメージをしやすくなるのが特長です。

制御盤(PLC)の前で説明

プレス発表で制御盤(PLC)の前で説明する三上氏/IATC(ATC11階)

稼働状況

稼働状況(取得したデータ)が可視化画面に表示されている/IATC-Lab. (ATC3階)

ーーAI画像認識システムについて教えてください。

「AI画像認識システム」は、ディープラーニングを利用した物体認識で、画像全体にサーチを行い、確率の高いものを検出するというものです。中心位置のXY座標、回転角度、面積、おおよその寸法計測、分類などができます。主に、食品の様な不定形物や金属などの光沢物などでも、人間が画面を見て判断できれば検出が可能です。

調味料袋検出例

境目がわかりにくい調味料袋検出例

不定形物のピッキングデモ

AIと協働ロボットを活用した不定形物のピッキングデモ/IATC-Lab. (ATC3階)

AIを製造業に現場設置するには、産業グレードに対応する必要があります。耐温度性、耐粉塵性、耐ノイズ、通信環境などですね。弊社のシステムを使えば、これらの環境性能をできるだけ考慮したハードウェアを製作・設置することができます。
独立した当初、AI画像認識はまだまだ研究者の世界でした。しかし、2018年から経済産業省が主催する「WRS(World Robot Summit)」というロボット業界のオリンピックのような競技会「ものづくりカテゴリー」に出場し、そこでAI技術の活用にチャレンジしたことがAI活用の大きなきっかけになりました。
出来上がったシステムの精度も非常に高く、これなら現場でお客様に喜んでいただけると確信し、サービス化に乗り出しました。

WRS(World Robot Summit)2020競技会

「WRS(World Robot Summit)2020競技会」ものづくりカテゴリー2位

ーー今後どのように成長していくのでしょうか。

成長の鍵として、一番欠かせないのは「人」ですね。
事業の構造上、既存サービスの納入とIoT・AIの研究開発を同時に行う必要があるのですが、技術進化が速いため、一人で行うには限界があります。そこで、若いエンジニアや得意分野が異なるエンジニアとどれだけ出会えるかが、今後の成長にとって大きなポイントになると感じています。また、新しい技術をどれだけスピーディーに検証して、現場で使えるものにしていくか。そうした環境が持てるかも非常に重要です。
弊社はそうした繋がりや場を求め、iRooBOというロボットビジネスの団体に所属しています。そのネットワークを通じて、新しい出会いが生まれたり、そこに集う仲間とプロジェクトを完遂したりしています。
また、ATCは実証ができる施設なので、そこにあるIATCやIATC-Lab.に集まって来られるお客様は、新しい技術を試すことに抵抗が少ない方が多いのも大変有り難いです。

ーー最後にメッセージをお願いします。

製造業の中でも、デジタル化に積極的な企業と消極的な企業と分かれてきていると感じます。
後者の現状認識を変えることは難しいですが、積極的な企業が少しずつ増えていくことで業界の底上げが進み、結果として日本の生産性向上や製造業の競争力向上の一助になればと思います。
弊社のシステムは、小規模でテスト導入も可能です。ご興味のある方は、ぜひお問合せください。

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