100PROJECT

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技術開発の公開実験の場「中之島ロボットチャレンジ」

中之島ロボットチャレンジ実行委員会 事務局(株式会社プロアシスト)

中之島ロボットチャレンジ

中之島ロボットチャレンジ実行委員会
事務局(株式会社プロアシスト)

〒540-0031 大阪府大阪市中央区北浜東4番33号 北浜ネクスビル 28階
nakanoshima_challenge@proassist.co.jp

プロジェクトの概要

「中之島ロボットチャレンジ」は、人々の往来する実環境において、自律移動ロボットが問題無く行動できる「技術開発の公開実験」を大学や企業向けに提供する大会です。
さまざまな研究開発機関が参加する技術交流の場を設けることで、ロボット開発技術のレベルを向上させることを目的としています。
2022年は、ATCにて本チャレンジを実施しました。
※ソフト産業プラザTEQSのIoT・ロボットビジネス実証実験支援プログラム「AIDOR(アイドル)エクスペリメンテーション」を活用
https://teqs.jp/experimentation

研究者と地域が協力して行う、先端技術への挑戦と公開実験の場

今回は、株式会社プロアシストのシステム開発1部1課 課長である猪熊一行氏と、神戸市立工業高等専門学校(神戸高専)の准教授の清水俊彦氏にお話を伺いました。

ーープロジェクトが生まれた経緯について教えてください。

猪熊氏 きっかけは、関東方面で実施されている「つくばチャレンジ」という、つくば市内の遊歩道等の実環境を、ロボットに自律移動させる技術チャレンジがありまして、当社がその主催者から「関西で同様の取り組みをできないか。」と相談を受けたことです。

研究者と地域が協力して行う、先端技術への挑戦と公開実験の場というコンセプトは、当社も共感するところが大いにあり、取り組み方を模索していたところ、同じような目的の公募があり「中之島ロボットチャレンジ」というネーミングで応募をしました。
その内容は、ロボットが中之島公会堂の周りを走行するというもので、この取り組みをきっかけに、当時チャレンジに参画していた企業数社で、2018年に実行委員会を立ち上げました。そして2019年には他企業・団体を巻き込んで、本格的にプロジェクトをスタートさせました。

2021年には、プロジェクトのステージアップとつくばチャレンジとの差別化を図るため、自律移動に加え、ゴミ拾い機能をロボットに持たせることにトライしました。そして、2022年はここATCでチャレンジを行いました。

猪熊氏

株式会社プロアシスト猪熊氏


清水氏

神戸市立工業高等専門学校(神戸高専)清水氏

ーーチャレンジの内容について、教えてください。

猪熊氏 屋外・屋内の実環境にて自律移動ロボットのコースを設定し、一般の人々が往来する中、ロボットが安全に行動できるかの実験を行いました。また、ゴミ判定エリアを設定し、ゴミの分別判定を行えるかどうか、さらにゴミ回収エリアを設定し、そこで予め置いておいたゴミを回収できるかどうかの実験を行いました。そして走行・ゴミ拾いそれぞれの基準によって、採点を行いました。
2022年のATCでのチャレンジでは、全16チームに参加していただき、3台が完走するという結果になりました。

ーーATCという場所での実証実験について

猪熊氏 ATCは、自律移動ロボットが屋外・屋内を連続して移動できるコースを設定できるという点が、実証実験の場としてとても良かったです。人間が普通に歩けるコースが、ロボットにとっては難しかったりします。
例えば、入口です。ロボットは同じような景色が続くと、別場所に変わったと認識できません。人からすれば、ここからは別の空間だということが視覚的に認識できても、ロボットは、屋外を走行している認識のまま屋内に入っていったりしてしまうのです。

また、自動ドアやエレベーターが有ることも良かった点です。
エレベーターの乗降も、人間にとっては造作ないことですが、ロボットにとっては相当難しいんです。

清水氏 日射光が入ってくる屋内エリアも難しいポイントです。
こういった場所は、明暗差が激しいです。ロボットは明暗で屋外か屋内かを認識しているので、屋内のテーブルの上に置いてあるペットボトルなどのゴミを拾おうと少し影エリアに入ったら、ロボットからすると突然屋外に移動したような錯覚を起こしてしまう。
自律移動ロボットには、耐久性、安全性が非常に大事です。その点でATCは、人が沢山いる上に、段差も各所にあり、エレベーターや自動ドアもある。加えて、本走行では阿波踊りイベントが行われていたので、動き回るダンサーと観客の間をロボットが走行するという予測不能なルートにチャレンジすることができました。

猪熊氏 こうした背景から、ロボットの実証実験としては最高の条件下で実施できたと思います。

ロボットの実証実験

ロボットの実証実験

ロボットの実証実験

アーム付きロボットのチャレンジの先に、社会実装がある

ーープロジェクトの未来像は?

猪熊氏 日本は今後、働き手の減少、高齢化の加速に伴い、省人化・自動化がますます求められます。その延長戦上には必ずロボットが活躍する社会がやってきます。しかし、前述の話でもあるように人間と全く同じ作業をロボットが代替することは技術的にまだまだ難しいです。

そこで、1人の人間が数十体のロボットを半自律で扱いながら、ロボットが困ったときだけ人間が遠隔からサポートする、そんな働き方が実現できるのではないかと考えています。そうすることで、1人の作業量が10倍、20倍にもなり得ます。
これら実現のためには、自律移動に加え、ロボットにアームを付けて作業をさせるということが、ポイントでした。
神戸高専さんが参加のきっかけになったのも、このアーム開発に強みがあったからです。

清水氏 アーム付きの自律移動ロボットというのは、屋内では現在一定数活用されてきていますが、屋外での活用はまだまだ課題が多いです。しかし、屋外でアームを使ったさまざまな作業ができれば、それは社会課題の解決につながります。今やっているのはゴミ拾いという清掃業向けのことですが、これらは林業や農業にも転用が可能です。そのためには、人間らしく作業できるよう自律で移動して、ゴミを拾って、特定の場所に持っていく、という技術をこのチャレンジを通じて向上させ、技術開発に貢献していくことが、大きなポイントになると考えています。

猪熊氏 直近の目標としては、2025年大阪・関西万博でのデモンストレーションを目指した、自動ゴミ回収ロボット実現のためのマイルストーンを掲げています。

中之島ロボットチャレンジは、そんな未来を実現するロボット技術レベル向上に貢献できる場として、今後も活動を続けていきたいと思います。
参加してみたい企業様、団体様いらっしゃいましたら、ぜひ、お問合わせください。
お待ちしています!

中之島ロボットチャレンジ実行委員会
事務局(株式会社プロアシスト)

〒540-0031 大阪府大阪市中央区北浜東4番33号 北浜ネクスビル 28階
nakanoshima_challenge@proassist.co.jp

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